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兆豊銀の巨額罰金問題、蔡元董事長を聴取


ニュース 金融 作成日:2016年8月24日_記事番号:T00066007

兆豊銀の巨額罰金問題、蔡元董事長を聴取

 台湾政府系の兆豊国際商業銀行(メガ・インターナショナル・コマーシャル・バンク)のニューヨーク支店がマネーロンダリング(資金洗浄)対策の不備を理由に米ニューヨーク州金融サービス局(DFS)から罰金1億8,000万米ドルを科された問題で、台北地方法院検察署は23日、兆豊金融控股(メガ・フィナンシャル・ホールディング)の蔡友才・元董事長から事情を聴くとともに、出境禁止処分を下した。24日付工商時報などが伝えた。

/date/2016/08/24/12megabank_2.jpg兆豊銀は、現在事件に関わったとみられる内部人員の名簿を作成しているところだと説明した(23日=中央社)

 検察は同日、金融監督管理委員会(金管会)、財政部、兆豊金控に出向き、資料提出を求める一方、同日午後に蔡元董事長から3時間にわたり事情を聴いた。また、兆豊金控の徐光曦現董事長も出頭を求められた。

 検察は「不法行為の有無については調査が必要だ。検察官が順調に捜査を完了できるように蔡元董事長への強制処分(出境禁止)を決めた」と説明した。

 蔡元董事長は記者団に対し、「資金洗浄は行っていない。申告していなかっただけだ」と語った。

 一方、蔡元董事長は同日、今回の事態を受け、国泰金融控股(キャセイ・フィナンシャル・ホールディングス)の董事を辞任した。蔡元董事長は今年3月、兆豊金控を離れ、6月に国泰金控の董事に就任していた。

 事件に揺れる兆豊金控も同日、董事会を開き、▽危機対応グループの設置▽資金洗浄防止センターの新設▽コンプライアンス強化専門グループの設置▽海外重要支店の金融検査に対する董事への迅速な概要報告▽海外支店の統括管理体制確立──という5項目の対策を決定した。

 兆豊金控の陳松興副総経理は董事会後に記者会見し、記者団から国民党の党営事業に対する不正融資や資金洗浄への協力がなかったかと問われたのに対し、「司法手続きに入っているためコメントできない」と答えた。

 董事会では、徐董事長が国民党に絡む不正融資、資金洗浄を強く否定したもようだ。