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老夫妻の自宅が競売に、親切な隣人が買い戻す


ニュース 社会 作成日:2016年9月10日_記事番号:T00066357

老夫妻の自宅が競売に、親切な隣人が買い戻す

 高雄市に暮らす老夫婦がこのほど、自宅アパートを裁判所の競売に掛けられ、ホームレスになってしまう事態に直面した。しかし、これを見かねた隣人が何と自腹を切って300万台湾元を提供し、彼らの家を買い戻して2人を危機から救い出した。

/date/2016/09/10/19apartment_2.jpg張さん(左)夫婦は30年以上住んでいた自宅で余生を全うできそうだ(10日=中央社)

 失明して目の見えない83歳の妻と2人で高雄市鳳山区に暮らす張燮さん(91)は先日、自宅近くの銀行を訪れ、突然、約200万元の定期預金を解約したいと申し出た。これを聞いた銀行員は、高齢の張さんが詐欺グループに預金を騙し取られようとしているのではないかと懸念し、すぐに警察に通報した。

 駆け付けた警察官が張さんから話を聞いたところ、麻薬に手を染めて現在獄中にいる娘(42)が数年前、彼に黙って自宅を担保に金を借りた揚げ句、これを踏み倒したため、裁判所によって自宅が競売に掛けられることになったのだという。

 そんな時、普段から何かと夫婦の面倒を見ていた隣人で、果物店を営む楊文守さんが張さん宅を取り戻してやろうと競売に参加。しかし、楊さんを上回る価格を提示した入札者に落札されてしまった。この落札者は手に入れたアパートに移り住もうと考え、老夫婦に立ち退きを要求したが、張さんはこれを拒否し「妻と共にここで自殺する」と言い出した。

 このため見かねた隣人の楊さんがまた手を差し伸べ、落札者と交渉して300万元で張さんの家を買い戻すことに成功。2人を危機から救い出した。

 しかも楊さんは「隣人として老夫婦が路頭に迷う姿を見たくなかった」とだけ語り、「ただで世話になるわけにはいかない」と張さんが差し出す金も受け取ろうとはしなかったという。最終的に張さんは何とか50万元を「賃料」として楊さんに受け取らせ、これまで通りアパートに住み続けることになったそうだ。楊さんの行為はまさにまれに見る善行といえるだろう。