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輸出受注17カ月ぶりプラス転換、iPhone7・ポケモンが貢献


ニュース その他分野 作成日:2016年9月23日_記事番号:T00066547

輸出受注17カ月ぶりプラス転換、iPhone7・ポケモンが貢献

 経済部統計処が22日発表した8月の輸出受注総額は379億3,000万米ドルで前月比8.3%増、前年同月比8.3%増と、17カ月ぶりに前年割れを抜け出した。伸び幅は過去22カ月で最大だった。統計処は、ICT(情報通信技術)、電子製品がいずれも100億米ドルを突破したためと説明した。スマートフォン向けのゲームアプリ「ポケモンGO」ブームがもたらしたスマホ買い替えや、アップルの新型スマホ、iPhone7の9月発売に向けた半導体需要が大きく貢献した。23日付経済日報などが報じた。

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 林麗貞統計処長は、8月の輸出受注総額は、同月としては2014年の382億米ドルに次ぐ過去2番目の高水準だと説明した。国際ブランドの新機種発売で、携帯電話用チップ需要が増えたと指摘。ロー~ミドルエンドスマホ用チップ需要も貢献したと語った。

パネル以外は成長

 製品別では、ICTの8月輸出受注が105億2,000万米ドルで前月比10.1%増、前年同月比6.6%増と、10カ月ぶりにプラス成長に転じた。スマホ新機種のほか、欧米の新学期でノートパソコン組み立ての受注が急増したが、単価は低かった。また、ICTの海外生産比率は92%と高く、中国での生産が多いため、台湾の投資や就業機会での実感は薄そうだ。

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 電子製品は104億4,000万米ドルで前月比11.8%増、前年同月比16.5%増だった。携帯電話用IC設計、ファウンドリー、パッケージング・テスティング(封止・検査)や、受動部品のモジュールなどの受注が大幅に増えた。

 原油価格の回復で、石化製品は17億2,000万米ドル(前月比2.3%増、前年同月比8.9%増)、化学品は16億1,000万米ドル(前月比1.7%増、前年同月比14.6%増)とともに24カ月続いたマイナス成長を脱した。

 一方、液晶パネルなど精密機器は、20億2,000万米ドルで前月比9.9%増、前年同月比6.9%減と、前年割れが続いた。ただ、減少幅は17カ月ぶりに1桁に縮小した。精密機器の輸出受注は62.4%を中国(香港含む)が占めた。林統計処長は、パネルは過去数カ月の供給不足で価格が上昇しており、大きく改善していると指摘した。

米国からの受注、15%増

 国・地域別の8月輸出受注は、米国が109億2,000万米ドル(前月比8.6%増、前年同月比15.1%増)で最多だった。うちICTが34.1%、電子製品が31.3%を占めた。林統計処長は、アップルのスマホ新機種の恩恵を受けたと説明した。

 次いで中国が97億7,000万米ドル(前月比11.2%増、前年同月比12.8%増)で、▽欧州、58億8,000万米ドル(前月比0.1%減、前年同月比5.6%増)▽東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国、45億2,000万米ドル(前月比6.2%増、前年同月比2.5%増)▽日本、24億1,000万米ドル(前月比4%増、前年同月比9.5%減)──と続いた。

通年は前年割れか

 林統計処長は、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、IoT(モノのインターネット)などが半導体やICT製品の受注をもたらし、需要期の9~12月はプラス成長が続くが、今年通年の前年割れは免れないと予測した。

 1~8月の輸出受注総額は2,740億3,000万米ドルで前年同期比5%減だった。輸出受注総額の16カ月連続の前年割れは、世界金融危機当時の12カ月連続よりも長かった。

【表】【図】