ニュース 社会 作成日:2016年9月23日_記事番号:T00066566
中山大学(高雄市)の企業管理学系で教鞭(きょうべん)を執る王致遠助理教授(45)は昨年、原因不明の感染症に侵され、両手足を切断することとなった。手足の自由を奪われた彼の脳裏に一度は「死にたい」との考えも浮かんだが、義足と電子制御の義手を付けて血のにじむようなリハビリを続けた結果、このほど、ついに教壇にカムバックし、「奇跡の復職」を果たした。
王さんは1年前、「死亡率は5割以上」とされていた。強い意志には驚くばかりだ(中央社)
王さんは昨年9月初め、ガールフレンドとともに台東や宜蘭へ登山に出かけた際、体調不良を感じた。高雄へ戻った後も発熱が続いたことから、同月12日に病院で診察を受けたところ、血圧が100を切り、心拍数が100を超え、レントゲン検査で肺に影が見つかったほか、敗血性ショック、多臓器不全症候群などの症状に陥っていることが判明。その日のうちに集中治療室へ運ばれたが、病状はさらに悪化し、翌日には危篤状態に陥った。
王さんが危険な状態にあるとの知らせを受けた彼の教え子たちはすぐに病院へ駆け付け、交代で恩師に付き添った。これが功を奏してか病状は徐々に回復に向かっていった。ただ一命は取りとめたものの、血行不良から手足の末端が壊死(えし)し、同年11月に両腕の肘から先、両足のふくらはぎから先の切断を余儀なくされることとなった。
手足を切断した当初は寝返りも満足に打てず、王さんは自由のままならない自分の体を悲観して「死にたい」との考えがよぎったそうだ。しかし、そんな考えはすぐに振り捨て、12月に退院するとすぐに義足を作ってもらいリハビリを開始。転んだりぶつかったりしながら、もう一度歩くことを学んでいった。
さらにその後、電子制御の義手を300万台湾元をかけてオーダーメードで作製し、今年4月から動かし方の訓練を始めた。この義手は筋肉の神経を使って義手の中のボタンを操作し、こぶしを握る、マウスを持つなど8種類の動作が可能だ。ただ、王さんができる動作は本物の腕の機能のせいぜい4割程度で、「フォークを持ってパスタを食べられるようになるまで3カ月以上かかった」と語っており、慣れるには相当な訓練が必要となるようだ。
そんな王さんの努力が実って21日、ついに大学への復職を果たし、約40人余りの学生を前に約1年ぶりの教壇に立った。同僚や学生から「まさに奇跡だ」、「先生が再び戻って来られるとは思わなかった」など喜びの声が上がる中、王さんは「手と足は失ったけれど、探究心と挑戦する心は失わなかった」と語った。なお彼は、リハビリの過程でスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」を楽しむようになったそうで、これを授業に取り入れられないか検討中だという。
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