ニュース 社会 作成日:2016年9月29日_記事番号:T00066618
大型で強い台風17号(アジア名・メーギー)が台湾に上陸した27日、大部分の県市政府が公共機関・学校を休みにする「停班停課」の措置を取ることを決めたが、南部の5県市は規定に基づき午後からのみの停班停課とした。しかし同日午後、風と雨が強まる危険な状況の中、下校を強いられた子供の保護者などからこの判断に対する批判が高まり、5県市の首長が相次いで謝罪する事態となった。
李進勇・雲林県長も、規定に沿っての判断だったが迷惑を掛けることになり、許してほしいと謝罪した(27日=中央社)
各地方自治体が停班停課を判断する根拠となる中央気象局の予報では、南部では風と雨が強まるのは27日午後からと予測されていたため、雲林県、嘉義市、嘉義県、台南市、高雄市では同日午後からの停班停課を決定。これら県市の住民は、午前中は出勤、登校することとなった。
しかし、台南市などでは同日午前10時ごろから台風の勢力が急速に強まり、激しい風と雨の中、学校に児童を迎えに来た保護者からは「数字だけを見て判断を下す市長には市民の苦労が分からない」などと批判の声が上がった。
これに対し、頼清徳台南市長は当初、「規定の基準に達しておらず、都市の発展と生産力、競争力を考慮して判断した」と説明し、理解を求めた。しかし同日夜、市長のフェイスブック(FB)には「小学生の孫を迎えに来た祖母が強風に倒れそうになっている姿を見て深く申し訳ないと感じた」と自身の判断を謝罪する内容のコメントが投稿された。
また高雄市の陳菊市長も当初は「市長が勝手な判断で休日を決めることはできない」と説明していたものの、批判の高まりを受けて「市民に迷惑を掛けたことを謝罪する。今後はより多面的に検討して判断する」と反省の弁を述べた。
さらに嘉義県では、県内の小学生4人が下校途中、強風のため前に進めず、電柱の陰に身を隠す様子を撮影した動画がFB上に投稿されたことで批判がヒートアップ。張花冠県長が謝罪に追い込まれた。
ただ昨年9月に台風21号(アジア名・ドゥージェン)が接近した際、台北市などでは予測された風速、雨量が基準に達していないにもかかわらず、交通面などを考慮して全日の停班停課措置を決めたが、実際には雨風ともに弱く、台北市の柯文哲市長が「こんな天気に台風休暇を実施することになり、申し訳ない」と謝罪する羽目になったケースもある。
各県市の首長は今後も台風が来襲するたびに頭を悩ませることになりそうだ。
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