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記事番号:T00066704
2016年10月5日15:48

 鴻海精密工業が自社開発した産業用ロボット「FoxBot(フォックスボット)」は現在4万台に上り、4年前に誕生した無人工場は中国で5カ所以上に広がった。トヨタの2万5,000台を上回る規模だ。鴻海傘下、富士康自動化技術委員会の戴家鵬総経理は、まだ市場は成熟しておらず、3~5年後には郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が掲げる目標100万台を超えると予測した。5日付工商時報が報じた。

/date/2016/10/05/00foxbot_2.jpg戴総経理は、「鴻海の産業用ロボットの父」と呼ばれている(4日=中央社)

 戴総経理は、鴻海の無人工場は四川省成都市から▽重慶市▽河南省鄭州市▽江蘇省昆山市▽広西チワン族自治区南寧市▽広東省深圳市──と、5~10カ所に広がったと語った。成都工場はタブレットパソコン生産の▽プラスチック成形▽吹き付け塗装▽CNC(コンピューター数値制御)加工工程──で、重慶工場はオールインワン(モニター一体型、AIO)パソコンやディスプレイ製造工程で、鄭州工場はCNC加工工程でフォックスボットを採用している。

 戴総経理は、▽水平多関節ロボット(スカラロボット)▽高速多関節ロボット(デルタロボット)▽垂直多関節ロボット▽無人搬送車(AVG)──など40種類以上あり、▽プレス▽研磨▽包装▽品質検査──など20種類の工程が可能で、前工程のフレーム製造工程なら7割が自動化可能だと語った。ただ、後工程の部品組み立ての自動化は、表面実装技術(SMT)以外では5%にとどまると述べた。

一部外部販売も

 戴総経理は、フォックスボットを山西省晋城市、深圳市、台湾の新北市土城区で年間1万台生産しているほか、鴻海が自社開発したIA(産業オートメーション)設備の年産能力は5万~8万台に上り、数十万個の治具で、生産ラインの多様な需要に応えることができると説明した。

 戴総経理は、社外向け販売もあるが多くはないと話した。中国にある多くの工場は低価格重視の上、鴻海は単体で販売するのでなく、ソリューションとしてセット販売する意向のためと説明した。

品質向上で受注増加

 戴総経理は、産業用ロボットの当初の目的は、誰もやりたがらない3K(汚い、きつい、危険)の作業を代替することだったが、今後は人手を介することで出てしまう不具合をなくし、品質を向上させるために必要だと語った。

 もし産業用ロボットが100万台に増えれば、中国の工場労働者の仕事がなくなるとの懸念に対し、戴総経理は、3C(コンピューター、通信、家電)製品の組み立てはまだ人手が必要で、人がいなければ受注は増えないと強調した。

10年余りで成果

 戴総経理は先日、「産業用ロボットの父」と呼ばれるジョセフ・F・エンゲルバーガー博士の名前を冠した、ロボット分野最高の賞といわれる「エンゲルバーガー賞」を受賞した。戴総経理は2004年、鴻海に董事長特別助理として加わり、郭董事長に産業用ロボットを一任された。10年余りで成果を出した格好だ。

 鴻海は、▽クラウド▽モバイル▽IoT(モノのインターネット)▽ビッグデータ▽スマート化▽インターネット──にロボットを加えた「雲移物大智網プラス機器人」計画を推進している。

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