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UMCのIC設計4社統合、聯発科に挑戦


ニュース 電子 作成日:2008年4月9日_記事番号:T00006676

UMCのIC設計4社統合、聯発科に挑戦

 
 半導体ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は8日、傘下の聯陽半導体(ITE)などIC設計会社4社の、来年1月1日付での統合を発表した。聯陽が存続会社となり、デジタルテレビ向けチップに参入、IC設計最大手の聯発科技(メディアテック)に挑戦する。9日付経済日報などが報じた。
 

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売上高5割増へ
 
 4社統合は、聯陽が、聯盛半導体(アスベスト)、晶瀚科技(チップ・アドバンスト・テクノロジー)、絵展科技(Sメディア)を、UMCの投資子会社、宏誠創投を通じ株式交換で合併する形を取る。株式交換比率は聯盛1株に対し聯陽1.05株、晶瀚1株に対し聯陽0.41株、絵展1株に対し聯陽0.26株。

 聯陽は統合によって、資本金18億9,000万台湾元(約63億5,000万円)、売上高は5割増となる見込みだ。

技術の統合で商品力を向上
 
 聯陽では、聯盛のデジタルテレビの復調器、および絵展のMPEG4コーデック技術を利用してデジタルテレビ市場に参入し、製品ラインナップをパソコン用ICからデジタルテレビ用ICまでに広げ、聯発科に立ち向かいたいとしている。

 聯陽は、マザーボードのスーパーIOチップやノートブック型パソコン(ノートPC)のキーボード制御ICのほか、発光ダイオード(LED)市場を好感し、LED駆動ICなどの研究開発(R&D)を行ってきた。聯盛にはフラッシュ制御ICのほか、3月に合併した詠発科技(アファ・テクノロジーズ)のデジタルテレビの復調器ICがある。晶瀚は電源管理ICに注力しており、絵展はグラフィックチップ(GPU)や、携帯電話、全地球測位システム(GPS)のチップを手掛けている。

3事業に分割
 
 4社統合後は、事業を3つに分割する計画だ。第1ユニットは、聯陽のコンピューター入出力制御チップ、第2ユニットは聯盛、晶瀚、第3ユニットは絵展と詠発の製品が中心となる。昨年、過去最高の利益を記録した聯盛と、損益分岐点に達した絵展による第2ユニットが最も成長の可能性が高いとみられる。

 同日付蘋果日報によると、4社の製品と顧客は重複していないため、統合による相乗効果はすぐには出ず、業績の思わしくない2社を合併して競争力を高めることが目的というのが業界の見方だ。 

 聯陽の昨年の売上高は26億1,100万元、純利益は5億4,200万元、聯盛は売上高が8億800万元だった。晶瀚と絵展について聯陽は数値を提供しなかったが、両社とも赤字だった。