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レノボが富士通PC事業統合へ、台湾ブランドに脅威


ニュース 電子 作成日:2016年10月7日_記事番号:T00066765

レノボが富士通PC事業統合へ、台湾ブランドに脅威

 複数の日本メディアによると、パソコン世界首位の聯想集団(レノボ)が富士通のPC事業を傘下に収める方向とされ、華碩電脳(ASUS)や宏碁(エイサー)にとって、レノボを筆頭とする中国の「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」の脅威が増す恐れがある。一方、レノボのノートPCを受託生産する仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は受注が拡大しそうだ。7日付経済日報などが報じた。

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 アナリストによると、富士通は昨年のPC出荷台数が370万台にすぎず、今年上半期は出荷が縮小し、市場シェアはわずか約1%だが、PC事業で多数の特許を保有しているので、潜在的な競争力がある。さらに、レノボは富士通と組むことで、部品やソフトウエア調達の交渉力が増す。

 業界関係者は、レノボが富士通PC事業を統合すれば、中国の紅色供給網がPC産業界でさらに勢力を拡大すると予測した。レノボだけでなく、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、小米科技(小米、シャオミ)、TCL集団など中国ブランドは近年PC製品を強化している。

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 市場調査会社、IDCの調査によると、レノボは第2四半期のPC出荷台数シェアが21.2%で首位、富士通はシェア1.1%で9位だった。2位以下は、▽HP、20.8%▽デル、16%▽ASUS、7.2%▽アップル、7.1%──で、エイサーは6位だった。

日本市場シェア4割も

 レノボは2011年にNECのPC事業を統合しており、日本2位の富士通のPC事業統合も実現すれば、日本市場シェアは40%を超える。

 ASUSとエイサーは6日、日本PC市場は閉鎖的なので、台湾ブランドへの影響は大きくないとの見方を示した。ただ、中国ブランドの勢力拡大は、世界市場での競争に影響すると指摘した。

 ASUSの沈振来(ジェリー・シェン)執行長はレノボと価格で競争する考えはなく、同社はスタイリッシュな外観とユーザーエクスペリエンス(UX)向上に注力している。一方、エイサーはクリスマスシーズンに向け、高級感はあるがアップルほど高価格でないノートPC新製品を多数投入するもようだ。

レノボの9割受注

 コンパルは6日、市場の観測についてはノーコメントだが、同社はレノボと協力関係にあると強調した。

 両社は10年、レノボのノートPCを生産する合弁工場、聯宝(合肥)電子科技(LCFC、中国安徽省合肥市)を設立した。出資比率はレノボが51%、コンパルが49%。レノボのノートPC生産委託の発注は、聯宝が5割、コンパルが4割近くを占める。レノボが富士通のPC事業を統合し、富士通のノートPC生産コストを引き下げるなら、聯宝が受注する可能性が高い。

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