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TSMC高速演算ICが主力へ、19年にスマホ抜く


ニュース 電子 作成日:2016年10月14日_記事番号:T00066873

TSMC高速演算ICが主力へ、19年にスマホ抜く

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音・共同執行長兼総経理は13日、2019年からディープラーニング(深層学習)、高性能サーバー、データセンター、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)など向けの、高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)チップがスマートフォン向けに代わり、同社の成長エンジンになると予測した。20年にHPCチップの世界市場規模は150億米ドルに上り、TSMC売上高の25%を占めると見込む。このほか、人工知能(AI)、スマートカー、IoT(モノのインターネット)も大幅成長を期待している。14日付経済日報などが報じた。

/date/2016/10/14/00tsmc_2.jpg劉共同執行長(右)と魏哲家共同執行長(左)。張忠謀(モリス・チャン)董事長は出席せず、オフィスでライブ中継を見守った(13日=中央社)

 20年のIoT世界市場規模は40億米ドルと、今年の20億米ドルより倍増し、カーエレクトロニクス市場規模は60億米ドルと、今年の40億米ドルから1.5倍に拡大する見通しだ。

 劉共同執行長は、同社は▽HPC▽人工知能▽スマートカー▽IoT──向けのチップいずれにも必要となる先進プロセスを推進していると話した。

 同社は今年、16ナノメートル製造プロセス製品で市場シェア70%を見込む。10ナノプロセスは今年第4四半期に試験生産、17年第1四半期に量産を予定している。7ナノプロセスは顧客20社が決まっており、来年15の製品をテープアウト(設計完了)し、18年第1四半期に量産する計画だ。5ナノプロセスは極端紫外線(EUV)露光装置を導入し、20年の生産開始を目指す。

 一方、何麗梅財務長は、今年ハイエンドスマホがTSMCにもたらす売上高は1台当たり10米ドルと、昨年の9米ドルから上昇すると予測した。今年の設備投資は95億米ドルをやや上回り、来年はハイエンドプロセスに注力すると話した。

Q3売上高・純利益、過去最高

 TSMCが13日発表した第3四半期の連結売上高は2,604億1,000万台湾元(約8,500億円)で前期比17.4%増、前年同期比22.5%増、純利益は967億6,000万元で前期比33.4%増、前年同期比28.4%増と、いずれも過去最高を更新した。

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 劉共同執行長は、スマホ用チップ、HPCチップの受注や販売状況が予想していたより良かったと説明した。16ナノプロセスが貢献した他、28ナノプロセスも好調で、8インチウエハー工場はフル稼働だったと語った。同社の28ナノ、20ナノ、16ナノプロセスは第3四半期売上高の55%を占め、過去2番目に高い割合だった。

【表】