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TSMCがクアルコム10ナノ奪回へ、サムスン生産が遅延


ニュース 電子 作成日:2016年10月17日_記事番号:T00066899

TSMCがクアルコム10ナノ奪回へ、サムスン生産が遅延

 17日付経済日報によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は今後、クアルコムの来年の旗艦プロセッサー「スナップドラゴン830(MSM8998)」受注をサムスン電子から奪い取る見通しだ。スナップドラゴン830は多くのスマートフォンメーカーにまだサンプルが届いておらず、サムスンの10ナノメートル製造プロセスでの生産が遅れているためとみられている。クアルコムのスナップドラゴン800シリーズは、アップル以外のスマートフォン旗艦機種の大部分に採用されている。TSMCは、アップルを含むスマホ大手ブランド向けの大口受注によって、来年の業績が期待できそうだ。

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 クアルコムのスナップドラゴン800シリーズは、▽サムスン▽宏達国際電子(HTC)▽華碩電脳(ASUS)▽小米科技(小米、シャオミ)▽ソニー▽LGエレクトロニクス──などの旗艦機種に採用されている。来年第1四半期の新製品発売に向け、今年第4四半期は「スナップドラゴン830」のサンプル出荷の時期に当たるが、サンプルが届いたスマホメーカーは少数だ。このため市場では、「スナップドラゴン830」は生産進度が遅れており、クアルコムは今後発注先をTSMCに切り替えると予想されている。

 クアルコムは従来、ハイエンドのスマホ旗艦機種用のチップはTSMCに生産を委託していた。ただ、TSMCが生産した「スナップドラゴン810」で発熱問題が発生した上、サムスンの昨年のスマホ旗艦機種「ギャラクシーS6」に採用されなかった。このため、クアルコムは今年の旗艦プロセッサー「スナップドラゴン820」の生産をサムスンに発注し、サムスンの「ギャラクシーS7」から受注を獲得した。来年の「スナップドラゴン830」も引き続き、サムスンに生産を委託することになっていた。

InFO出荷、5割成長へ

 TSMCは第2四半期から、アップル向けに集積ファンアウト(InFO)型パッケージング(封止)技術での出荷を開始した。新型スマホ、iPhone7の9月発売を経て、InFO型パッケージングでの出荷は増え続けている。魏哲家・総経理兼共同執行長は先日の業績説明会で、InFO型パッケージングの第4四半期売上高は1億米ドルを超えると見通しを示した。

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 市場では、TSMCのInFO型パッケージングは今後5年の年平均成長率(CAGR)が50%を超えるとみられている。

【表】【図】