ニュース 社会 作成日:2016年10月17日_記事番号:T00066919
韓国メディアで先ごろ、北朝鮮が自国の排他的経済水域(EEZ)内での漁業権を台湾の漁業関係者に付与し、既に数十隻の台湾漁船が操業を行っていると報じられた。これにより北朝鮮側は年間数百億韓国ウォン(1ウォン=約0.1円)の権利金を獲得することができ、経済制裁により財政が悪化する同国の重要な資金源となっているとされる。
報道によると、核実験の実施や長距離弾道ミサイルの発射強行を受けて国連による経済制裁を受けている北朝鮮は、輸出額が半減するなど急速に資金が減少する中、同国領海での漁業権を中国に付与し、年間820億ウォンの収益を得ているとされる。
さらに今回、北朝鮮は台湾側にも漁業権を付与したとされ、漁船1隻当たり1日4万5,000台湾元の対価を要求。さらに月給1万6,000元で北朝鮮籍の乗組員を雇用することを義務付けたと伝えられている。
これに対し、基隆区漁会(漁協)の陳文欽総幹事は、「北朝鮮の領海は漁業資源が豊富なことは確実」としつつも、「同国が漁業権を販売するとのうわさは何度も耳にしているが、操業方式や水揚げ、燃料補給などが問題となるほか、共産国家のため不確定要素が多い」と指摘している。
また屏東県東港区漁会の林漢丑総幹事も「北朝鮮との協力はリスクが高く、魅力はない」と強調。さらに南部の漁業関係者は「同国領海では既に大陸(中国)の漁船が多く操業している上、実際には漁業資源は乏しい」と語り、報道に否定的な見方を示した。
一方、行政院農業委員会(農委会)漁業署の黄鴻燕副署長は、「報道はうわさにすぎない」と強く否定。北朝鮮がブローカーを通じて漁業権の取り引きを持ち掛けている可能性はあるが、「対外漁業合作弁法」の規定で、台湾の漁船が他国と協力し、相手国のEEZ内で創業するにはまず漁業署の許可を得なければならず、現時点で北朝鮮領海内での操業申請は受けていないと説明した。さらに衛星船位測定送信機(VMS)での調査でも北朝鮮領海で操業する台湾籍の漁船は確認されていないという。
また国連安全保障理事会による北朝鮮に対する経済制裁の実施決議を受けて、漁業署は8月12日、台湾全土の漁会などに対し、北朝鮮との漁業関連協力を認めないと通達を行っており、これに違反した場合、漁業ライセンスを剝奪するなど厳しい処分を科すと表明している。
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