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タイのプミポン国王弔文、蔡総統のスペルミス発覚


ニュース 社会 作成日:2016年10月18日_記事番号:T00066945

タイのプミポン国王弔文、蔡総統のスペルミス発覚

 タイのプミポン国王(88)が13日に死去したことを受けて蔡英文総統は17日、台北市のタイ貿易経済弁事処(大使館に相当)を訪れて記帳を行い、手書きの英語で弔文を記した。しかしその中で本来「Thailand(タイ)」と書くべきところを誤って「Tailand」とつづっていたことが発覚。外交部が慌てて謝罪する事態となった。

/date/2016/10/18/19cai_2.jpg蔡総統の弔問文。今回は「中華民国総統」と署名した(17日=中央社)

 蔡総統は同日、タイ貿易経済弁事処内に設置されたプミポン国王の遺影におじぎをした後、記帳台に向かい、台湾を代表してタイの王室および国民に対し深い哀悼の意を込めた弔文をしたためた。

 しかしその後、スペルミスが明らかとなり、これについて、総統に同行しメディアから質問を受けた李大維外交部長は当初「こういったミスはよくあること」と弁護したもものの、すぐにタイ側に説明と謝罪を行った。これを受けてタイ側は理解を示し、総統の同国民に対する心配りに再度感謝を述べたという。

 ただ、国名のスペルミスという失態に、野党・国民党はここぞとばかりに厳しい批判の声が上げている。総統批判の急先鋒として知られる同党政策会の蔡正元執行長は自身のフェイスブック(FB)ページに「総統は英語を勉強したことがあるのか」と書き込んだほか、蔡総統が6月に友好国のパナマを訪問した際、「President of ROC(中華民国総統)」ではなく「President of Taiwan(台湾総統)」と署名したことをやり玉に挙げ、「パナマでは自分の国名を間違え、台湾では他国の国名を間違えた」と揶揄(やゆ)した。

 また国民党内派閥「草協聯盟」の徐巧芯発起人も「国家元首でありながら、弔文で国名を間違えるのは非礼極まりない」と批判。「蔡政権は口では(東南アジアなどとの関係強化を目指す)『新南向政策』を掲げながら、重要な外交文書でこのようなミスを犯し、しかも側近がそれに気付かないという状況は反省する必要がある」と指摘した。

 蔡総統が行政院大陸委員会(陸委会)主任委員として活躍した2000年代前半、知名度が上がるとともに、「蔡英文」と全く同じ発音の「菜英文」が「下手な英語」を意味する表現として社会に定着した経緯がある。実際の蔡総統は非常に英語が達者との評判だが、つまらないスペルミスをしては「蔡英文はやはり菜英文だった」との誤解も生んでしまうかもしれない。