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XPEC事件複雑化、巨額詐欺事件の主犯も関与か


ニュース 商業・サービス 作成日:2016年10月19日_記事番号:T00066962

XPEC事件複雑化、巨額詐欺事件の主犯も関与か

 日系投資会社の「百尺竿頭数位娯楽」によるオンラインゲーム開発大手、楽陞科技(XPECエンターテインメント)に対する株式公開買い付け(TOB)が不履行となった問題で、株価操作の疑いが浮上する中、捜査当局は18日、XPECの3位株主で百尺竿頭と密接な資金取引があった「動游公司」など関係先を家宅捜索するとともに、関係者10人に出頭を求め、事情聴取を行った。事情聴取を受けた人物には、1994年に国際票券金融(国票金融控股の前身)を舞台に起きた巨額詐欺事件「国票事件」で服役した楊瑞仁容疑者(51)も含まれていることが分かった。19日付蘋果日報が伝えた。

 楊容疑者は国際票券に勤務中、同社の約束手形を盗んで勝手に金額を記入し、金融機関から102億台湾元(約335億円)を不正に借り入れ、株式投機につぎ込んでいたとして有罪判決を受けるなどして、13年半服役した人物だ。

/date/2016/10/19/11xpec_2.jpg保釈後メディアの前に現れた楊容疑者。国票事件は台湾で個人が行った詐欺犯罪で最高の被害額を出しており、楊容疑者は当時「100億大盗」のニックネームが付いた(19日=中央社)

 今回のXPEC事件では、同社が今年3月に発行した転換社債を購入し、百尺竿頭による今年5月のTOB計画発表でXPECの株価が急騰した際、転換した株式を売り抜ける手口でXPEC董事長の許金龍容疑者をはじめ複数の人物が不当な利益を挙げた疑いがある。XPECの株価はTOB不履行が明らかになったことで暴落し、個人投資家に多額の損失が生じた。

 こうした中、検察はXPEC株式を売買した大口投資家を追跡した結果、「アントニー」と名乗る男からXPEC株式の投機売買資金を借り入れていたことが判明。その後の調べで、男は楊容疑者であることが分かった。台北地方法院検察署は事情聴取の後、保釈金300万元で楊容疑者を釈放した。

 さらに、百尺竿頭や動游、楊容疑者の背後で事件のシナリオを描いた人物は、中国のオンラインゲーム会社「世紀華通」の最高経営責任者(CEO)を務める中国人実業家、王佶氏だった可能性も浮上した。XPEC董事長の許容疑者は、検察の取り調べに対し、百尺竿頭の資金源は動游であり、動游の実質的経営者は王佶氏だと供述した。