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作成日:2008年4月11日_記事番号:T00006707
人民元相場6元台突入、台湾企業の危機拡大
人民元の対ドル相場が10日、1米ドル=7人民元(約102円)を割り込み、6元台に突入したことについて、東莞台商協会虎門分会(広東省東莞市)の林錦標会長は同日、「輸出型の進出台湾企業は激しい生き残り戦に直面する」と危機感をあらわにした。11日付経済日報が伝えた。
林会長は、「従来型産業に属する台湾企業は3分の1が工場閉鎖を迫られる。閉鎖のスピードは昨年を上回るだろう。体質が良好は企業は今年と来年を乗り切れば、再来年からは市場が安定するとみられる」と述べた。
林会長によれば、従来型産業は「買い手市場」で、為替差損を取引先に転嫁できないのが現実だという。また、契約期間が3~6カ月、最長で1年に達し、契約内容を勝手に変更できないため、台湾企業は為替差損の自社で吸収せざるを得ない状況に陥っている。
東莞市虎門地区では、昨年毎月2~3社が工場を閉鎖したが、林会長は「今年は人民元の上昇スピードが速いため、毎月20~30社が閉鎖に追い込まれる」と予測した。
ただ、人民元高は輸入品の値下がりと一般市民に購買力増大につながるため、中国の内需市場に依存する進出台湾企業には追い風となりそうだ。投信会社は恩恵を受ける台湾企業として、康師傅控股、統一中国控股、大成食品、旺旺中国控股などを挙げた。投資銀行モルガンスタンレーは一例として、人民元が1%上昇すると、康師傅の利益率が4ポイント上昇すると試算している。