ニュース 社会 作成日:2016年10月26日_記事番号:T00067081
台湾のテレビでは現在、主に連続ドラマが放送されるゴールデンタイム(午後8時~10時半)には、どのチャンネルも中国ドラマや韓国ドラマを放映している。こうした現状を憂慮する国家通訊伝播委員会(NCC)はこのほど、「ゴールデンタイムは台湾で制作された番組の放映を義務付けることができないか検討する」と表明した。
NCCの詹主任委員は、きょう26日にも台湾番組の放映比率引き上げに関する予算割り当て案を提出する(24日=中央社)
同日、立法院交通委員会で行われたNCCの予算に関する審議で、多くの立法委員から「いつテレビをつけても外国の番組が映っている」との意見が上がり、民進党の李昆沢立法委員は「ゴールデンタイムに放映されている台湾ドラマは1割以下で、韓国、中国ドラマに『占領されている』」と指摘した。
さらに国民党の趙正宇立法委員も「台湾ドラマは再放送の比率が高く、中には10年以上繰り返し放映している作品もある」と語り、台湾ではドラマ制作に対する経費が少なく、支援策を講じる必要があるとの認識を示した。
なお昨年台湾のテレビ局が中国から購入したドラマ作品は49本で放映時間は2,800時間に上った一方で、中国のテレビ局が購入した台湾ドラマはわずか4本にとどまったという。
こうした状況に対し、NCCの詹婷怡主任委員は「地上波放送および衛星放送について、ゴールデンタイムに台湾で制作された番組が占める比率、再放送の比率など関連規定を見直す」と説明し、台湾の番組がより多く放映されるよう強制力を持った対策を導入したいとの考えを示した。
これについてテレビ業界からは、三立電視台(SET)、民間全民電視(民視、FTV)など主要各局が歓迎を表明した。ただ、政治大学放送系の黄葳威教授は、台湾番組の放映比率の義務付けと同時に、再放送を多く行うことで規定を満たす行為を回避するため、再放送率に制限を設けた上で、番組の質の向上のために補助金を交付すべきだと指摘した。
東森電視(ETTV)も「テレビ局には資金と時間がなく、ドラマを1本作るのに1年以上かかるが10回で放送は終了してしまい、作れば作るほど赤字になる」と内情を明らかにし、政府に補完措置の立案を求めた。
一方、市民やネットユーザーからは「最近の台湾ドラマは質が低い」、「面白くなければ24時間放送しても誰も見ない」など冷ややかな声も上がっている。何よりもまず、皆が見たくなるような番組を作ることが先決のようだ。
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