ニュース 公益 作成日:2016年10月27日_記事番号:T00067089
李世光経済部長は26日、電力供給不足から今後1~2年以内に電力使用制限を実施する可能性があると述べた。彰化県政府が大気汚染防止を理由に台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)彰化工場の歴青炭ボイラー設備の操作許可証を更新せず、コージェネレーション(熱電併給)システムが停止していることも一因で、仮に台塑集団(台湾プラスチックグループ)第6ナフサ分解プラント(雲林県麦寮郷、通称六軽)まで拡大すると、原子炉2基に相当する発電量が失われると指摘。台湾全土でエネルギー政策を一致させる必要があると訴えた。27日付経済日報などが報じた。
中南部の県市は昨年から、PM2.5(微小粒子状物質)による大気汚染の主因とされる歴青炭の使用制限と石油コークスの使用禁止を盛り込んだ自治条例制定を進めている。
李経済部長は26日、立法院経済委員会での業務報告で、台化の彰化工場のコージェネシステム停止により、ピーク時に電力を供給できず、台湾電力(台電、TPC)の電力供給予備率が0.3ポイント押し下げられていると説明した。
陳明文立法委員(民進党)は、来年6月に許可期限を迎える台プラ第6ナフサ分解プラントでも、台化の 彰化工場と同様の事態が発生する可能性があると指摘した。これに対し李経済部長は、第6ナフサの発電量は180万~240万キロワット(kW)と原子炉2基分に相当するため、停止となれば、現在のTPCの設備容量では対応できないと語った。経済部能源局(エネルギー局)の試算によると、台化と台プラがコージェネ停止でその分の電力をTPCから購入すれば、供給予備率の10%近くを占める見通しだ。
李経済部長は、政府は原子力発電の代替として再生可能エネルギーを推進しているが、再生可能エネルギーで来年すぐさま電力不足を解消するのは不可能だと説明した。
大林発電所で調達瑕疵か
TPCは、26日の電力の供給予備率は2.8%まで下がり、過去10番目に低かったと説明した。残暑が続き、今年10月に供給予備率が6%を割り込んだのは合計11日に上った。10月の6%割れは統計開始以来15日で、今年だけで3分の2以上を占めている。
頼立法委員は、電力不足はTPCの自己責任だと批判した(26日=中央社)
頼瑞隆立法委員(民進党)は、TPCは大林火力発電所(高雄市)の1号機(設備容量80万キロワット)が今年夏に運転を開始するはずだったが、実現していないことが電力不足の原因だと批判した。大林火力発電所の1号機は、IHIなどの企業連合(コンソーシアム)から565億台湾元(約1,870億円)で購入したものの、昨年8月の水圧試験で水漏れが見つかり、パイプ3,000本以上を交換しているが、まだ完了していないとされる。
TPCの朱文成董事長は、専門家などと調査を進めているが、まだ処分は決まっていないと話した。
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