ニュース 社会 作成日:2016年10月27日_記事番号:T00067109
台北市大同区の迪化運動公園と淡水河の堤防をまたいで設置されている展望台は、郝龍斌前市長が川と市民を近づける施設として設置を計画したもので、2014年12月に供用を開始した。しかし同展望台は、完成後に発注した仕様を満たしているかを検査する検収作業が行われていなかったことが最近発覚。安全が保証されないまま使用し続けていたとして市政府に対し批判の声が上がっている。
この展望台は郝前市長時代に1億3,000万台湾元をかけて建設されたもので、任期が切れる直前の14年12月18日に供用開始式典が開催された。ビル3階分の高さを持つ施設となっており、当時、郝前市長は「川岸の景色が一望でき、(毎年同エリア周辺で開催される)花火大会の際も大勢の市民が鑑賞できる」と自画自賛した。
しかし最近、「先ごろ台湾を襲った台風17号(アジア名・メーギー)の影響で展望台の縁に設置されたガラス壁が割れ、約1カ月がたった現在も修理がなされておらず、子供などが誤って落下する恐れがある」との市民からの情報が黄向羣・市議会議員(民進党)に寄せられた。黄市議が調査したところ、同施設では検収作業が行われていないことが判明した。
「市は全く責任を果たしていない」と厳しく批判する黄市議に対し、市政府の責任者は「検収を怠った建設請負業者との契約を昨年6月に解約し、同業者に今後、公共事業から排除する最も重い処分を科した」と説明。その上で「台北市土木技師公会に検収を委託し、来週から実施予定だ」と回答した。また台風によって壊れたガラス壁も来週修理が行われるという。
前市長が業績を残すため駆け込みで完成させた疑いのある施設が、検査も受けずに2年間も使用されていたとは実にいいかげんな仕事だ。大きな事故が起きる前に発覚したことだけが救いだろう。
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