ニュース 政治 作成日:2016年11月1日_記事番号:T00067162
野党国民党の洪秀柱主席は31日、中国・江蘇省南京市を訪れ、中華民国建国の父(国父)である孫文(孫中山)の陵墓「中山陵」を参拝した。同日夜には北京入りし、1日には中国共産党の習近平総書記(国家主席)との「国共トップ会談」が予定されている。
発言にピリピリ
中山陵参拝は中国にルーツを持つ国民党の主席として重要な意味合いを持つ儀礼だが、発言内容には中国側の監視の目が光った。洪主席は参拝後に談話を発表し、孫文の功績を称えた上で、「清朝を打倒し、中華民国を建国した」と、歴史上の事実に言及する形でようやく「中華民国」という4文字を口にした。その上で、「中山先生(孫文)の思し召しの下、両岸(中台)は必ず民族の復興、民生の繁栄と進歩に向け、手を携えて前進し、共に奮闘し、未来の栄えた姿を創造できる」と強調した。
中山陵で献花した洪主席(右)(30日=中央社)
なお、集まった群衆が「中国人民はあなたを歓迎します」と叫んだところ、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の担当者が「大陸人民は…」と言い直させる一幕もあった。
中国側の厚遇
北京入りした洪主席一行は、空港で国台弁の張志軍主任に出迎えられ、歓迎夕食会に出席した。張主任は洪主席の訪問を「複雑な環境の中での夜明けの光を象徴している」と表現した。
最大の注目点は洪主席と習総書記による国共トップ会談だ。会談は1日午後4時(現地時間)から人民大会堂で予定されている。双方は中台による「1992年の共通認識(92共識)」を関係改善の大前提として、会談に臨むとみられるが、中国側から中台関係改善に向けた何らかのシグナルが示されるかに注目が集まる。
関係者によると、洪主席は「一つの中国」問題で中国と同じ解釈は取らず、「台湾の法律と体制」に触れる形で、台湾側の解釈を表明する方針とされる。
中台の平和協定締結問題は、その方向性で国共両党は一致しているが、細部には「一つの中国」をめぐる解釈が異なるなど難題が残されている上、国民党が政権与党ではなくなった以上、具体的な進展はないとの見方が有力だ。
洪主席一行は、会談終了後、午後5時半に北京市内のホテルで記者会見を予定している。
自由時報などの会談取材拒否
国台弁は今回の洪主席訪中に同行した台湾メディアのうち、自由時報、鏡週刊、上報の3社による国共トップ会談の取材を拒否した。台湾新聞記者協会は、国台弁が一方的に取材権利を取り消したとして抗議声明を出した。中国側は「会場が手狭だ」という不可解な説明を行っており、記者団は納得していない。
記者協会は「3社は国台弁が定める登録方法で取材団への参加を申し込んだ。国台弁は随行記者の取材権を確保する責任があり、みだりに権利を剝奪すべきではない」と主張した。
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