ニュース 社会 作成日:2016年11月2日_記事番号:T00067189
基隆市の生物研究機関にこのほど、病気にかかったウミガメ2匹が収容された。症状は重く、長期にわたる療養が必要と判断され、屏東県の水族館に搬送することになった。しかし、車での移動に耐えられない状態だったことから、スピードが速く、揺れも少ない台湾高速鉄路(高鉄)を選び、無事、目的地に到着した。
9月に海洋大学で数時間にわたる手術を受けた際のオーストラリア(同大学フェイスブックより)
基隆市の台湾海洋大学生物研究所・海洋生態・保育研究室に今年、骨髄炎を患った2匹のヒメウミガメ、「澳洲(オーストラリア)」と「三明治(サンドイッチ)」が収容された。この2匹は少なくとも1年にわたる投薬治療が必要と診断されたが、近くにある台湾大学附属の動物病院では長期的な受け入れが困難だったことから、屏東県の水族館施設「海洋生物博物館」に搬送し、ここで療養を受けさせることが決まった。
しかし、重病を患うウミガメにとって、4~5時間もの車での移動は体の負担が大きく、耐えられないのではないかと懸念されていたところ、研究員の1人が高鉄に協力を依頼してはどうかと提案。通常はイヌやネコ以外の動物を搬送するサービスは行っていない高鉄側も、オフピーク時なら他の乗客にも迷惑がかからないと判断し、緊急事態の「特例」としてウミガメの搭乗を認めたため、同案が採用されることとなった。
搬送日となった先月26日、研究員は2匹のウミガメを子供用のビニールプールに入れて上から薄い掛け布団をかけ、始発駅の高鉄・南港駅で車両内に運び込んだ。身体障害者用のスペースに置かれたプールに周囲の乗客から「これは何?」などと質問が飛び、好奇の目を集めたが、特に問題なく終点の左営駅に到着した。
2匹は今後、海洋生物博物館で治療を受けた後、病状が回復し、体力が付いた時点で海に返される予定だ。
なお海洋大学には今年、過去最多となる80匹以上の負傷したウミガメが運び込まれている。中には海中に捨てられたプラスチックごみが腸にたまり、栄養が摂取できずに死んでしまったケースもあり、今回の搬送に付き添った研究員の郭芙さんは、「何度もウミガメを保護して海に返しているが、一番良い保護方法は海の環境を改善すること」と訴えている。
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