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環境テーマの『看見台湾』監督、自宅に絶滅危惧カメ13匹


ニュース 社会 作成日:2016年11月4日_記事番号:T00067241

環境テーマの『看見台湾』監督、自宅に絶滅危惧カメ13匹

 台北市動物保護処は2日、警察とともに市内の住宅を捜索し、絶滅が危惧されるとして台湾では飼育が禁じられているカメ13匹を押収したが、この家の主が2013年に公開されて話題を呼んだ、環境問題をテーマとするドキュメンタリー映画『看見台湾』の監督、斉柏林氏と判明したことから話題を呼んでいる。

 事の発端は今年7月、斉氏が自身のフェイスブック(FB)ページに掲載した自宅庭の池の写真だった。その写真には池の縁石に3匹のカメが乗っている場面が写っていたが、ネットユーザーの1人はこの3匹がいずれも絶滅危惧種ではないかと気付き、専門家に鑑定を依頼。その結果、「保育類2種」に指定され、研究目的以外での飼育が禁じられているセマルハコガメとミナミイシガメと判明したため、警察に通報した。

 通報を受けた警察が動物保護処の職員とともに斉氏の自宅を調べたところ、セマルハコガメ11匹、ミナミイシガメ2匹を発見し、すべて押収した。現在、斉氏は海外に滞在中のため、警察は今後、家にいた同氏の父親から事情を聴取する方針で、飼い主が斉氏と確定した場合、動物保護法違反で1万~5万台湾元の罰金が科された上でカメは没収されることになる。

 ただ、斉氏はメディアの取材に対し、「カメは父親が十数年前に山で捕まえてきて飼っているもので、保育類に指定されているとは知らなかった」と釈明。「父親はカメを押収されて悲しんでいる」とコメントした。

 しかし、動物愛護団体、台湾動物社会研究会(EAST)の朱増宏執行長は、「環境問題に関心を寄せながら、野生動物が環境の不可欠な一部であることを無視している」と厳しく批判。市民からも「環境保護を訴える著名人が絶滅危惧種のカメをペットにするとは言動が一致しない」との声が上がっている。