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宅配4大手の低温サービス、食品輸送の安全に疑念


ニュース 運輸 作成日:2016年11月7日_記事番号:T00067260

宅配4大手の低温サービス、食品輸送の安全に疑念

 食品調査団体、上下游新聞市集がこのほど、▽統一速達(プレジデント・トランスネット)の「クロネコ宅急便」▽新竹物流(HCTロジスティクス)▽台湾宅配通(台湾ペリカン便)▽嘉里大栄物流(ケリーTJロジスティクス)──の大手宅配業者4社が提供する低温宅配サービスを調査したところ、冷蔵配送サービスの「合格率」は4社全体で40%に満たず、冷凍配送については2%以下との結果となり、専門家は食品の安全上、大きな懸念があると指摘している。7日付蘋果日報が報じた。

 今回の調査は過去半年間にわたって実施されたほか、9月には台湾海洋大学食品科学系の張正明副教授に委託し、基隆市から高雄市まで冷蔵・冷凍肉を送り、その間の温度変化を30秒ごとに記録する実験も2度、行われた。

 行政院衛生福利部(衛福部)が定める食品の適正衛生規範(GHP)によると、低温輸送の冷蔵温度は「7度以下、凝固点以上(肉類の場合はマイナス2度)」、冷凍輸送の場合は「マイナス18度以下」と規定されているが、調査の結果、配送中の多くの時間、温度はこの条件を満たしていなかった。

 なお米食品医薬品局(FDA)の研究によると、食品を30度以上の環境に1時間以上、放置すると食中毒などの原因となる微生物、リステリア・モノサイトゲネスが増殖するとされるが、嘉里大栄以外は同微生物の測定検査で「不合格」となる計算だ。

 調査結果に対し、衛福部食品薬物管理署(TFDA、食薬署)食品組の潘志寛組長は、「今後、改善を要求する可能性がある」と表明した上で、期限内に改善が見られない場合は法に基づき6万~2億台湾元(約20万~6億7,000万円)の罰金を科すとコメントした。