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福島以外の食品、輸入規制緩和案を公表


ニュース 食品 作成日:2016年11月8日_記事番号:T00067274

福島以外の食品、輸入規制緩和案を公表

 衛生福利部(衛福部)と行政院農業委員会(農委会)は7日、福島県の食品と周辺の東日本4県(群馬、栃木、茨城、千葉)の高リスク食品(飲料水、乳幼児用粉ミルクなど)以外の低リスク食品は産地証明書と放射性物質検査報告書を添付すれば輸入できるようにする輸入規制緩和案を立法院に提出した。衛福部の何啓功次長は、日台食品安全輸出入協力覚書の枠組みで対応するとの考えを示しつつ、規制緩和までのタイムスケジュールはないと強調した。情報筋によると、11月末までに日本側と最終交渉を行う方向で、来年1月に規制緩和が実現するとの観測もある。8日付聯合報などが報じた。

/date/2016/11/08/00japan_2.jpg立法院で答弁する何衛福部次長(左)。台湾メディアでは、日本産食品のリスクの程度と、台湾が貿易面で被る恐れのある不利益をよく比較検討して規制緩和を判断すべきとの論調が増えている(7日=中央社)

 輸入規制緩和案によると、福島県のあらゆる食品のほか、東日本4県の飲料水、乳幼児用粉ミルク、茶類産品、水産物の輸入停止は続行する。野生のキノコ類や野菜・果実、および日本政府が出荷制限している14県の指定食品は輸入しない。規制緩和後、一定期間を経てから第2段階の規制緩和を検討する。

 何衛福部次長は、部会(省庁)横断会議で規制緩和するかを協議、決定すると述べた。農委会の陳吉仲副主任委員は、5県の全食品を輸入停止しているのは台湾と中国だけで、専門家によると放射性物質濃度は大幅に低下したと説明した。ただ、日本で販売できないものは今後も台湾に輸入できないと強調した。

 輸入規制緩和案に対し、国民党など野党の立法委員から、安全を確保できるのか、日本産食品は台湾で人気が高く、検査員が足りなくなるなどと反論が相次いだ。何衛福部次長は、公聴会を10回開催すると約束し、規制を緩和することになれば検査員を1割増員する考えを示した。

 行政院の徐国勇報道官は、公聴会や対話が必要で、今月10日に規制を緩和するとの情報はデマだと説明した。来年1月との予想についても、あくまで未定だと述べた。

 台湾政府は昨年5月より、東日本大震災の福島第一原発事故を受けた日本産食品の輸入規制を強化した。現在、東日本5県の全食品(酒類を除く)の輸入を停止している。残り42都道府県の全ての食品に産地証明書の添付を求め、野菜・果物などは台湾で全ロット検査、加工食品はサンプル検査を実施している。さらに一部県市の特定品目に対し、放射性物質検査報告書の添付を必須としている。

APECで日台会談か

 今月19、20日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)がペルーで開かれる。台湾からは宋楚瑜・親民党主席が特使として派遣され、安倍晋三首相と今後の日台協力の大筋の方向について意見交換する方向で調整中とされる。