ニュース 電子 作成日:2016年11月9日_記事番号:T00067297
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は8日の定例董事会で、第4四半期の設備投資1,546億3,000万台湾元(約5,200億円)を承認した。四半期ベースで過去2番目の高水準だ。設備業者は、主に10ナノメートル製造プロセスの生産能力拡充に充てるためと指摘した。TSMCは第4四半期に入り、10ナノプロセスの量産を開始した。来年第1四半期にかけ、複数の顧客向けに量産を始めるほか、業界では、アップルの次世代プロセッサー「A11」の生産を全て請け負うとみられている。9日付工商時報が報じた。
TSMCは第4四半期の設備投資を▽先進プロセスの生産能力設置や拡充▽半導体パッケージング(封止)生産能力の技術向上▽来年第1四半期の研究開発(R&D)や経常予算──に充てると説明した。
TSMCは、中部科学工業園区(中科)の12インチウエハー工場Fab15の第5~7期拡張工事を急いでいるところだ。月産能力は9万~10万枚で、10ナノプロセスと7ナノプロセス生産の中心地となる見通しだ。
来年Q1まで量産相次ぐ
TSMCの10ナノプロセスを採用した顧客製品は、▽聯発科技(メディアテック)の新世代スマートフォン用チップ「Helio X30」▽華為技術(ファーウェイ)傘下の深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)のネットワークプロセッサー(NP)新製品とスマホ用チップ「Kirin」▽アップルの新型タブレット端末「iPad Pro」向けプロセッサー「A10X」▽クアルコム初のARMアーキテクチャのサーバープロセッサー──など。
TSMCは今年第2四半期、集積ファンアウト(InFO)型ウエハーレベルパッケージ(FOWLP)の量産を開始し、主にアップルの「A10」を生産している。来年第2四半期には10ナノプロセスチップ対応とし、アップルの次世代プロセッサー「A11」受注を狙うもようだ。「A11」は年末にテープアウト(設計完了)し、来年第1四半期末~第2四半期に量産を開始する見通しだ。
17年設備投資、100億ドルへ
TSMCの7ナノプロセスは、来年第1四半期に試験生産、顧客の認証取得を開始し、2018年第1四半期に量産に入る予定だ。これまでに採用を決めた顧客は、▽エヌビディアの新世代GPU(グラフィックスプロセッサー)とスーパーコンピュータープロセッサー▽ザイリンクスのFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)──など。市場では、クアルコムのスマホ用チップ受注も取り戻すとみられている。
TSMCの今年通年の設備投資は95億米ドルをやや上回る予測だ。今後数年の設備投資は売上高の3割程度とみられ、証券会社は、来年は100億米ドルで依然ハイテク業界で最高となると予想した。
インテル出身者を招聘、HPC強化
TSMCは同日、モトローラ、HPに続き、インテルに20年近く勤務した張暁強氏を設計技術プラットフォーム組織副総経理に招くほか、経営幹部4人を昇格する人事も決定した。
業界関係者は、張氏のインテルでの組み込みメモリー開発の経験を、TSMCの高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)プロセッサーに応用したい考えだと指摘した。
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