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バイオ医薬1兆元産業へ育成、創新推進プランを決定


ニュース 医薬 作成日:2016年11月11日_記事番号:T00067354

バイオ医薬1兆元産業へ育成、創新推進プランを決定

 行政院会は10日、バイオ医薬産業創新推進プランを閣議決定した。4つの行動計画(アクションプラン)の▽海外大手のM&A(合併・買収)や戦略提携による海外市場開拓▽エコシステム形成▽産業クラスターの統合▽特色ある重点産業の推進──により、2025年までにバイオ医薬の研究開発(R&D)でアジア太平洋の中心地になることを目指す。高い給与水準の就業機会を増やし、バイオ医薬産業の生産額を1兆台湾元(約3兆3,600億円)に引き上げることが目標だ。11日付経済日報などが報じた。

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 バイオ医薬産業の推進は、蔡英文総統の選挙公約「5大産業創新(イノベーション)研究開発計画」の一つ。来年の予算は109億4,700万元。25年までに▽新薬20品目以上の海外での発売▽高付加価値の医療器材80品目以上の海外での発売▽10以上の健康サービス旗艦ブランド構築▽大型バイオ医薬メーカー3~4社の育成──を目指す。

日本や東南アジア開拓

 楊弘敦科技部長は、まず潜在力のある海外の中小製薬メーカー、医療材料メーカー、販売・サービス会社などのM&Aで、国際市場を開拓すると説明した。

 科技部の蔡少正・生命科学研究発展司長は、行政院国家発展基金(国発基金)が200億元を拠出し、生命保険会社や銀行などの遊休資金を合わせることで、大型企業のM&Aも可能だと指摘した。

 政府は世界100位以内のバイオ医療関連企業をターゲットに定めており、米アルボジェンなど既に2社が台湾に拠点を構えている。蔡司長は、高齢者向けで日本など、華人特有の疾病で東南アジアなどの市場を開拓すると説明した。

バイオ新薬条例改正、63社に恩恵

 エコシステム形成では、▽人材育成▽資本調達▽知的財産権保護▽法律の整合性確保▽テーマの絞り込み▽リソース統合──を強化する。このうち規制緩和については、科学技術基本法、薬事法などの改正案や行政法人国家薬物審査センター設置条例法案などを立法院に送付しており、今会期で優先審議する。林全行政院長は10日、関連部会(省庁)と与野党の立法院党団(議員団)に対し、法案の審査加速を求めた。また衛生福利部(衛福部)に対し、医療器材管理法の法案作成を急ぐよう指示した。

 行政院会は10日、高リスク医療器材の認定範囲拡大やバイオ新薬の追加などを含むバイオ新薬産業発展条例改正案を承認した。これにより、租税優遇の対象が63社以上増える見通しだ。林院長は経済部に対し、早期法改正に向けて補完措置を講じるよう指示した。

個別化医療など推進

 産業クラスターの統合について蔡司長は、北部には台北市南港、新竹のバイオ医薬R&Dクラスターがあり、中部は機械園区にハイエンド医療器材のクラスターがあり、南部には歯科材料、人工骨など埋め込み型材料や熱帯医学があると説明した。これらをつなぎ、バイオ医薬の産業ベルトを形成する考えだ。

 重点産業の推進としては、▽個別化医療(プレシジョン医療)▽国際レベルの特色ある診療所クラスター▽健康福祉産業──を対象に挙げた。

【表】