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鴻海董事長が総統選出馬に意欲?トランプ当選で影響か


ニュース 社会 作成日:2016年11月17日_記事番号:T00067481

鴻海董事長が総統選出馬に意欲?トランプ当選で影響か

 先ごろ行われた米国の大統領選挙で、政治家の経験を持たない不動産王、ドナルド・トランプ氏が当選したことが世界中で話題となっているが、有力週刊誌「壱週刊」がこのほど、鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が同選挙の開票当日に行われた幹部との会議で、「2020年の(台湾)総統選に私が出馬するとすればどう思う?」と発言したと報じ、大きな注目を集めている。

 郭董事長は現在中国に滞在中だが、米大統領選の動向には強い関心を示しており、グループ幹部を集めてトランプ氏の大統領就任による世界経済への影響や対策について話し合ったという。その中で、郭董事長は自身の総統選出馬の可能性を示唆したもようだ。

 郭董事長はこれまで、台湾政府の政策に対したびたび不満を表明しており、各界から総統選に出馬してはどうかとの提言を受けていたが、「総統は台湾で最もやるに値しない仕事だ」と拒否していた。しかし、トランプ氏の当選で気持ちに火が付いたのではないかと台湾メディアは分析している。

 壱週刊の報道を受けて蘋果日報は、「次期総統選で郭董事長と蔡英文総統の対決となった場合、どちらに投票するか」との設問で世論調査を実施。その結果、「郭董事長」が61.97%で「蔡総統」の24.32%を大きく上回り「圧勝」した。

 また経済界から「企業家が政治を主導してこそ国家の経済的利益を図ることができる」など郭董事長の出馬を支持する声が相次いだほか、国民党の洪秀柱主席も「入党して総統選の予備選に出てもらいたい」と歓迎する姿勢を示した。

 ただ、郭董事長は14年にヒマワリ学生運動が起きた際、「民主では食えない」「民主はGDP(域内総生産)に何の貢献ももたらさない」などと発言し、民主主義を軽視する姿勢として批判を浴びた経緯がある。また、自身は特定の政党の支持者ではないと公言しているものの、従来の選挙では常に国民党候補の支持に回っており、さらに鴻海グループは中国で多くの事業を展開していることから、当選すれば中国への傾斜を強めるのではないかと懸念する声もある。

 なお、過熱する報道を受けて郭董事長はきょう17日、「(出馬観測は)でたらめだ」と出馬観測を否定するコメントを出した。

/date/2016/11/17/19kaku_2.jpg郭董事長は出馬の意図を問う質問に対し、もともとそのような考えはないと強調した(17日=中央社)