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《復興航空解散》3度の経営危機、曲折の社史


ニュース 運輸 作成日:2016年11月22日_記事番号:T00067541

《復興航空解散》3度の経営危機、曲折の社史

 1951年に民間航空会社として設立された復興航空(トランスアジア航空)は、83年に国産実業集団(ゴールドサングループ)が経営権を引き継ぎ、現在に至る。

/date/2016/11/22/13lin_2.jpg林董事長は、6年前に台湾航空会社で最年少の董事長に就任したが、経営の立て直しはできなかった(22日=中央社)

 近年は14年に格安航空(LCC)市場に参入し、威航(Vエア)を設立したが、同年に復興航空222便が澎湖県の馬公空港近くに墜落し、48人が死亡。15年には同235便が台北市の松山空港を離陸直後に基隆河に墜落し、43人が死亡するなど事故が続いた。鳴り物入りで設立されたVエアは過当競争による業績不振で今年10月に運航を休止。本体の復興航空も22日に解散を発表した。

 復興航空にとって、2件の航空機事故は「第3の経営危機」のきっかけだった。これに先立ち、00年には親会社の国産実業が財務危機に陥り、復興航空も6期連続赤字という最初の危機を迎えた。また、07年の台湾高速鉄路(高鉄)開通による旅客減は第2の危機だった。

 復興航空には現在、国産実業が38.33%を出資している。国産実業は警備会社の中興保全(台湾セコム)、セメントの国産実業建設(ゴールドサン・ディベロプメント&コンストラクション)など擁する企業グループで、6年前に3代目経営者の林明昇氏が董事長に就任。14年にはグループのブランド名を「SIGMU」に統一した。

 林董事長はスポーツカーマニアで、2件の航空機事故後にスポーツカーで交通事故を起こし、批判を浴びた。「事業も超速」と評されたが、LCCへの参入など急速な業務拡大路線にもかかわらず、人員体制や訓練が追い付かなかったことが重大事故につながったと指摘されている。