ニュース 社会 作成日:2016年11月24日_記事番号:T00067615
復興航空(トランスアジア航空)が業績悪化を理由に突然の解散を発表したことが大きな社会問題となる中、高給取りとして知られるパイロットも失業の危機に直面し、予約した高級車をキャンセルしたり、結婚する予定の恋人への説明に頭を抱えるなど、人生設計に大きな狂いが生じているようだ。
復興航空の従業員約200人は解散が発表された22日、「スポーツカーを売って復興航空を救え」「逃げ足はスポーツカーより速い」などと林董事長を皮肉って抗議した(22日=中央社)
ある復興航空のパイロットは最近、指導教官になるための試験に合格し、自分へのプレゼントとして先週末に約200万台湾元の輸入ボルボ車を予約したという。ところが2日もたたないうちに会社が解散を発表。今後の保証がなくなったことから慌てて予約をキャンセルした。
また退職間近のパイロットは「青春をこの会社に捧げたが退職金がもらえない可能性があるため、ビルの管理人にでもなろうかと考えている」と話す。さらに訓練期間中のパイロットは、訓練終了後に長年交際してきた恋人にプロポーズし、2人で幸せな未来を築こうと思い描いていたが、今となっては「将来がどうなるか分からない」と不安を口にする。
なお復興航空のパイロットは中華航空(チャイナエアライン)や長栄航空(エバー航空)に比べ20~30%給与が安いとされるが、それでも機長で20万元余り、副機長で15万元以上の月給が確保される。ただ、エバー航空で副機長になるには約2年間の勤務に相当する2,000時間以上の飛行実績が求められるが、復興航空の副機長のキャリアは大部分が2年未満となっており、失業した場合、他の域内航空会社への転職が難しいそうだ。
客室乗務員も同業他社への転職を目指す者が少なくないと予想されるが、「また入社試験からやり直し」「転職できたとしても、今までの同僚を押しのけて入社することになるため悲しい」などとやるせない声が聞かれる。
なお復興航空の林明昇董事長は、高級スポーツカー、ポルシェの収集家として知られ、限定モデルを含め所有する20台以上の総価値は2億元を超えるとされる。社員の間からは「会社や従業員よりもポルシェの方が大切だった」などの不満の声が挙がっている。
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