ニュース 運輸 作成日:2016年11月25日_記事番号:T00067625
遠東航空(ファーイースタン航空)の張綱維董事長は25日午前、記者会見を開き、経営不振により解散を決めた復興航空(トランスアジア航空)について、中華航空(チャイナエアライン)、長栄航空(エバー航空)の大手2社が会社更生手続きによる再建に手を差し伸べるべきだと両社に呼び掛けた。その上で、大手2社に意欲がない場合、遠東航空が再建を引き受けてもよいとの考えを示した。会社存続に向けて業界から声が挙がったのは初めてだが、債権銀行からは更生は困難で最終的には清算しかないとの見方が出ている。聨合報電子版などが25日報じた。
大手2社に復興航空救済を呼び掛ける張綱維・遠東航空董事長。「結局自社でやる気はないのか」と失望の声も聞かれた(25日=中央社)
記者会見は同日朝刊で、張董事長が復興航空の再建を引き受けることを検討していると報じられたことに対し、真意を説明するために行われた。遠東航空は2008年5月、財務危機によって運航停止に追い込まれ、会社更生手続きを申請。張董事長は09年に個人資金を投じて同社の再建を進め、11年4月に運航を再開。その後、15年10月に台北地方法院により更生手続きの完了が告げられた。台湾航空業界で唯一、会社更生手続きによって企業を立て直した実績を持つだけに、発言に注目が集まった。
張董事長は、会社更生手続きの方が、従業員の権利保障、および債権銀行もより多くの債権を回収できる可能性があるため解散するよりもはるかによいと主張した。ただ、中華航空とエバー航空の大手2社が進めるべきで、両社が手を挙げないのであれば遠東航空がやると述べ、朝刊報道の内容からはトーンを後退させた。
「債務引き受けは困難」=兆豊銀
張董事長の呼び掛けに対し、中華航空は「当社は利用者へのサービスが優先だ。その他のことにはコメントしない」と回答。エバー航空の広報担当者はため息をつきつつ、「企業にはそれぞれのガバナンスの手法がある。われわれはコメントしない」と述べ、共に積極的な姿勢は見せなかった。
会社更生手続きの申請資格は、当該企業の資本金の10分の1以上の債権を持つ債権者、総株主の議決権の10分の1を上回る株主で、債権銀行団の意向が重要となる。その債権銀行団21行は24日、3カ月以内に担保処分について協議を進めることで合意している。
最大債権行である兆豊国際商業銀行(メガ・インターナショナル・コマーシャル・バンク)の陳慶銘副総経理は、復興航空の再建を引き受ける意向の企業があるとの観測について問われた際、「あらゆる債務を引き受けることになり、担保品を処分できない問題にもぶつかる。さらに、航空機は時間の経過とともに価値が低下する問題がある」と課題を指摘した上で、「会社更生手続きは困難で、復興航空は最終的に清算以外にないのではないか」との見通しを示した。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722