先ごろ米国の次期大統領に決まったドナルド・トランプ氏がこのほど、米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、アップルのティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）に工場の米国移転を要請し、「分かっている」との回答を得たと明らかにしたことを受け業界では、アップル製品の受託生産を手掛ける鴻海精密工業と和碩聯合科技（ペガトロン）がどのような対応を見せるかに注目が集まっている。25日付経済日報が報じた。
同問題について業界関係者は、アップル工場の米国移転が決まるとすれば、川下の組立工程でまず実行され、筐体など部品のサプライチェーンについては現時点では先行きが不透明だと指摘した。
このため鴻海とペガトロンは最近、緊急会議を開き対策を協議していると伝えられているが、鴻海の郭台銘（テリー・ゴウ）董事長はかつて海外メディアに対し、オバマ大統領の製造業回帰促進政策に応じ、米ペンシルベニア州ハリスバーグに「富士康美東」を設立すると表明しており、既に対策を講じているとみられている。一方、ペガトロンの程建中副董事長は先ごろ、「米国での生産については事態がより明確となってから検討する」と述べた。
