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蕭胡会談実現、中台対話再開に弾み


ニュース 政治 作成日:2008年4月14日_記事番号:T00006764

蕭胡会談実現、中台対話再開に弾み

 
 蕭万長次期副総統と胡錦濤中国国家主席による「博鰲(はくごう)アジアフォーラム」(中国海南省)での12日の会談を受け、中台が対話再開に向けた取り組みに着手することが確実となった。14日付聯合報などによると、海峡交流基金会(海基会、台湾)と海峡両岸関係協会(海協会、中国)の、双方の交流窓口機関が6月中にも接触を再開し、直航チャーター便などの実務問題を協議する。蕭胡会談では、双方が争点を棚上げして経済交流を進めることで一致しており、中台関係が早いペースで改善に向かう可能性も出てきた。
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胡錦濤主席(右)と握手する蕭万長次期副総統。「1949年以降、最高レベルの接触で『氷を溶かした』と、各メディアの報道もおおむね好意的だ(12日=中央社)

 蕭次期副総統と胡主席は、馬英九政権への交代を機に、中台チャーター便の週末定期運航や中国人観光客の訪台開放をはじめ、経済交流の拡大に取り組んでいくことを確認した。13日付中国時報によると、中国は既に馬政権との間で正式に中台間の協議を再開する方針を決めている。

 蕭氏は、▽直航の早期実施▽中国人観光客の訪台開放の早期実施▽中台の経済・貿易交流の正常化促進▽中台間の対話メカニズムの早期回復──の4項目の実現を胡主席に求めた。これに対し胡主席は、「引き続き両岸(中台)の週末チャーター便や、対話再開を推進していく」と回答し、前向きに取り組む意向を示した。

「ダブルウインの追求」、胡主席も賛同

 蕭氏は胡主席に対し、「現実を正視し、未来を切り開き、争いを棚上げして、ダブルウインを追求しよう(正視現実、開創未来、擱置争議、追求双贏)」という理念を呼び掛けた。中国語で16文字のこの呼び掛けのうち、前半の8文字は2005年の連戦国民党主席(当時)と胡主席の会談での合意で、後半の8文字は、今回馬次期総統と蕭氏で決定したものだという。経済問題から対話に着手して、双方の利益を最高レベルに高め、長期的な平和的発展に有利な条件をつくろうと強調した。

 これに対し胡主席も、「両岸の同胞は協力を深め、ダブルウインを実現しよう」と呼応し、「争点の棚上げ」に同意したという。蕭氏はまだ正式には副総統に就任していないものの、今回の博鰲会談は中台間の事実上の最高レベルの接触で、双方が交流拡大で一致したことが最大の意義だ。今後、中国が台湾側に対し、「一つの中国の原則」ではなく、「一つの中国、それぞれの解釈」を正式に打ち出し、その立場を長期的に守るかどうかが関係進展のポイントとなる。

交流機関トップの相互訪問、1年以内に

 中国時報によると、中国は海協会の新会長に対台政策の最高責任者である国務院台湾事務弁公室の陳雲林主任を充てる考えで、事実であれば中国側の中台関改善への熱意がうかがえる。

 会談に同行した国民党の対中政策の重要ブレーンである蘇起立法委員は、馬政権での対中協議は、これまでの事務的な内容から、台湾企業による中国投資に対する保障協定や、金融機関への監督システム、中台間の平和協定も含め、政治的内容にかかわるあらゆるものが可能になるという見通しを語った。さらに、海基会董事長と海協会会長による北京と台北の相互訪問を、1年以内に実現させたいという希望を語った。 
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投資保障協定、協議の最優先事項

 13日付工商時報によると、中台の対話再開に当たり、中国に進出した台湾企業が最も関心を持っているのは投資保障協定の締結だ。

 投資保障協定は、93年にシンガポールで行われた戦後初の中台対話の際、既に重要なテーマという認識が持たれていたが、当時の中台関係は協定締結に至るほど成熟していなかった。中国は94年に台湾同胞投資保護法を成立させてはいるが、進出台湾企業によると同法は実質的な機能よりも象徴的な意味合いが大きく、依然実効力のある立法が待たれる状態だという。