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台北アリーナのスクリーン、住民に深刻な光害


ニュース 社会 作成日:2008年4月15日_記事番号:T00006766

台北アリーナのスクリーン、住民に深刻な光害

 
 台北市内の南京東路と敦化北路の交差点に位置する「台北小巨蛋(台北アリーナ)」の外壁に、大型液晶スクリーンがお目見えしたのは昨年1月だった。長さ100メートル、幅20メートルの巨大スクリーンは「台北天幕」とも呼ばれ、台湾最大、アジア2位(1位は北京の「夢幻天幕」)の規模を誇る。

 ところが、この巨大スクリーンが今、大きな問題を引き起こしている。1日24時間に渡り映し出されるコマーシャルなどの映像が、近所の住民に光害を及ぼしているのだ。

 最も深刻な光害を受けているのは、台北アリーナ向かいのマンション、万国大楼と国長大楼。スクリーンから放たれる強い光のせいで、住民は1日中分厚いカーテンを下ろさなければならず、夜もぐっすり眠れないという。また、午前7時から午後10時まで流される音声もうるさく、騒音となっている。

 光害と騒音のせいで、マンションの坪単価は50万台湾元(約167万円)から30万元に急落した上、入居率も6~7割にまで下落。家主の損失は1,000万元にも上っている。

 マンション住民らから陳情を受けた戴錫欽台北市議によると、台北アリーナのスクリーンは環境アセスメントを経ずに設置。さらに、室内に設置してある形をとっているため、市の広告物管理規則の対象である屋外広告に該当せず、取り締まることができない。戴市議は台北市に対し、「光害に対する管理基準を早急に設けるべきだ」と主張している。

 台北アリーナでは5月に馬英九次期総統の就任式が行われ、巨大スクリーンが式典の様子を放映する予定だが、ここは前市長でもある馬氏の鶴の一声で解決、というわけにはいかないだろうか。