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信号機の設定不良で死亡事故、「死の交差点」にご注意


ニュース 社会 作成日:2016年11月28日_記事番号:T00067674

信号機の設定不良で死亡事故、「死の交差点」にご注意

 高雄市で先ごろ、信号機の設定不良が原因で親子2人が死亡する交通事故が発生した。専門家は、台湾では自動車やバイク、自転車の交通量が増え続けているほか、電動バイク、電動アシスト自転車など新たな乗り物も出現しているにもかかわらず、信号などを含めた交通工学は10年遅れていると指摘しており、同様の問題は全土各地に存在し、死亡事故の大きな要因となっているとみられる。

 高雄市で先月27日に発生した事故は、36歳の女性が運転するスクーターが右側車線の「慢車道」(低速車、バイク、自転車専用道路)を走行中、交差点で停止し、前方の信号が青に変わったため、直進しようとした際、左側の「快車道」(一般車両用道路)から突然、タンクローリーが横切るように右折してきたため、これに巻き込まれ、女性と同乗していた息子(8歳)の2人が死亡したものだ。

 問題の信号は快車道と慢車道の共有だったため、事故現場の道路では信号が青に変わるたびに右折しようとする快車道の車両と直進しようとする慢車道の車両が入り乱れ、交通がマヒする状態が出現し、事故も頻繁に起きていたという。

 高雄市交通局は今回の事態を重く見たもようで、その後、同交差点には快車道、慢車道それぞれに専用の信号が設置された。しかし、2人の命が失われてようやく改善に乗り出した後手の対応には批判の声も上がっている。

 なお他にも、高雄市四維四路や彰化県鹿港に新設された媽祖路と臨海路の交差点では、快車道、慢車道それぞれに専用の信号が設置されているものの、両方が同時に青に変わるため、右折車と直進車が先を争って交通が混乱するという事態が起きているようだ。

 また台中市の台湾大道と朝富路のT字路では、左折用の信号と歩行者用の信号が同時に青になるため、特に朝のラッシュ時に、左折車に歩行者がぶつかりそうになる場面が多く見られるという。

 こうした問題について交通工学を専門とする交通大学管理学院の張新立院長は、「信号などの設定不良が原因の事故は国に賠償を請求できる」と指摘。ただ、交通事故鑑定の専門家は、信号の設定不良は鑑定に考慮されないため、政府は対策を検討すべきと提言している。