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台湾での訓練用戦車押収、中国がシンガポールにくぎ


ニュース 政治 作成日:2016年11月29日_記事番号:T00067697

台湾での訓練用戦車押収、中国がシンガポールにくぎ

 シンガポール軍が台湾で実施している軍事訓練に使用したAV-81型装甲車9両と軍事物資が経由地の香港・葵涌コンテナ埠頭(ふとう)で香港税関に押収された問題で、中国外務省の耿爽・副報道局長は28日の定例会見で、シンガポール政府に「一つの中国」の原則を厳守するようくぎを刺した。29日付聯合報が伝えた。

/date/2016/11/29/19CHINA_2.jpg耿副報道局長は、中国と国交を樹立している国に対し、台湾地区とのあらゆる公式な交流に断固反対するとコメントした(中央社)

 中国がシンガポールに厳しい態度で臨んだのは、中台関係の悪化が関係しているとみられる。中国外務省はシンガポールに対し、台湾との軍事交流、軍事協力を含め、「一つの中国」の原則の厳守を求める姿勢を明確にしており、装甲車押収は、表面的にはシンガポールに圧力をかけるように見せつつ、実際は台湾に矛先を向けたものだ。中国は外交戦によって台湾の国際空間を縮小させることで、民進党政権に1992年の共通認識(92共識)を認めさせたい考えだとみられる。

 シンガポール軍は狭い国土では十分な軍事訓練ができないため、リー・クアンユー元シンガポール首相の依頼を受け、蒋経国元総統の時代から台湾で軍事訓練を実施してきた。訓練部隊は「星光部隊」と呼ばれるが、シンガポールと台湾には外交関係がないため、現在では「公然の秘密」扱いとされている。