紡織メーカー大手の広越企業（ＱＶＥ）は29日、欧州ブランド向けに高級羽毛服を生産するルーマニア企業「ビアンコスピーノＳ.Ｒ.Ｌ.」の51％株式を取得することを董事会で決議した。出資額は811万2,000ユーロ（約９億7,000万円）。台湾紡織メーカーが欧州に生産拠点を所有するのは初のケースだ。30日付経済日報が報じた。
ビアンコスピーノの年産能力は70万着、年産額は1,500万米ドルだ。レジャーやスポーツウエア、高級ブランドと20年以上の取り引きがあり、顧客にはモンクレール、アルマーニ、バーバリー、エルメネジルド・ゼニアなどが含まれる。
ＱＶＥの呉朝筆総経理は、欧州の高級ブランドの多くは欧州での製造を希望する傾向があるため、ビアンコスピーノの買収を決めたと説明した。また同社から高級製品の生産に関するノウハウや今後のトレンドに関する知見が得られ、世界市場でのシェア拡大に有益と強調した。
ＱＶＥはベトナムの紡績・アパレルメーカー買収に向けての交渉も進めており、来年の上半期にも手続きが完了する見通しだ。
