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マラソン大会の路上駐車、主催者の申請漏れで150台罰金


ニュース 社会 作成日:2016年12月1日_記事番号:T00067756

マラソン大会の路上駐車、主催者の申請漏れで150台罰金

 このほど新北市で開催されたマラソン大会で、主催者は参加者に対し、駐車禁止を示す赤線が引かれた路肩に自動車やバイクを臨時駐車しても構わないと通知していた。しかし、主催者は市に対する許可申請を忘れ、多くの参加者が罰金処分を受ける事態となり、不満の声が噴出した。これを受けて同イベントの監督機関である新北市政府体育処が警察に罰金の取り消しを要請し、法律の専門家などから「極めて不適切」などと批判の声が上がっている。

 民間のスポーツ振興団体、新北市蘆洲区体育会は11月20日にマラソン大会を開催するに当たり、5月20日に公式サイト上で参加申し込みの受付を開始。その際、参加者はイベント会場周辺の「赤線」部分に自動車やバイクを臨時駐車することが可能と説明していた。

 そして大会当日、参加者や運営スタッフ合わせて約6,000人が会場に集結したため、駐車場に停められなかった自動車やバイク、150台が周辺道路に路上駐車されることとなった。ところが、大会が終了し、いざ帰宅しようと自分の自動車やバイクの元に向かった参加者は、警察による駐車違反の切符が切られていることに気づいた。

 実は主催者団体は市に対し道路使用許可を申請することを忘れ、周辺住民の通報によって駆け付けた警察官が赤線部分に停めてあった車両を違法駐車として全て処分したということだった。

 大勢の参加者から「話が違う」と抗議を受けた蘆洲区体育会は、自らの落ち度を認めた上で、監督機関の新北市体育処に事態の収拾を求めた。これを受けて体育処は大会翌日、警察局蘆洲分局に対し、ミスが原因だったとして罰金処分を取り消すよう要求した。これに対し蘆洲分局は、「主催者が市政府だった場合は処分を取り消すが、民間団体の蘆洲区体育会だった場合は法に基づいて処分する」と説明した。

 この経緯について東海大学政治系の邱師儀副教授は、「新北市が十分な監督を怠ったにもかかわらず、警察に処分の取り消しを要求したのは非常に不適切」と指摘。批判が高まる中、実際に大会運営を担当した蘆洲区体育会マラソン委員会の徐英雄主任委員は、誤って参加者に違法行為をさせたと認め、150人分の罰金、合計13万5,000台湾元は同委員会が負担するとコメントした。