ニュース 社会 作成日:2016年12月5日_記事番号:T00067806
27歳の台湾人青年、黄一展さんは現在、バンコクにある国連のアジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)でインターンシップとして働いている。国際社会で国として認められず、国連に加盟していない台湾の青年が正規職員として働くことはできないが、小さい頃から国際機関で働くことが夢だった彼は、このほど努力が実って期間半年のインターンとなることができた。
黄さんは何ら有力な後ろ盾を持たず、国連のインターンになるには「不退転の気持ちが必要だった」と語る。UNESCAPに50以上ある部門のオフィスのドアをすべてたたいたが断られ続け、「何とも思わなくなってしまった」と語る。幸い、IT通信部門に欠員が見つかり、同部門に入ることができた。
最初にぶつかった問題はやはり国籍だった。人事部門は彼に「中国」または「無国籍」を選択するよう提案。内心抵抗を感じながらも、夢をかなえるため「無国籍」を選んだ。国連難民高等弁務官事務所で働く仲間からは「難民認定して、米国移住を手配してやろうか」とからかわれるという。
仕事では北朝鮮の代表と接触した。国連以外でこうした機会があろうはずがなく、「得難い人生経験だ」と感じた。軍縮部門と兵器業者の駆け引きや、ハリウッド・スターを人権人道大使に任命した内部事情、大国による小国への干渉計画など、メディアでは決して報じられない世界の内幕も見聞きできる。
「台湾人、特に若者が国際組織で働く上では、不退転、不屈の気持ちが必要だ」と黄さんは強調する。留学生は皆、大志を抱いて海外に赴くが99%台湾に戻ってしまう。それが悪いこととは言わないが、頑張れば自分のような経験もできるのに惜しいと話した。ちなみに国連でインターン資格を取るには英語が優れており、かつ第2外国語の能力が必要だという。
台湾人に門戸を開いている国際機関は決して少なくない。世界貿易機関(WTO)はこのほど、政治大学出身の李宜芳さんをインターンで採用した。応募者500人の中から選ばれた12人のうちの1人という難関だった。来年から貿易・環境委員会で1年間働き、実績が認められれば正規職員になるチャンスもあるという。こうした若者たちには、台湾の存在を国際社会でアピールするべく、ぜひ活躍してほしいものだ。
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