ニュース 電子 作成日:2016年12月7日_記事番号:T00067842
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が3~5ナノメートル製造プロセスで2022年の量産を目指す計画を、楊弘敦科技部長が6日明らかにした。投資額は5,000億台湾元(約1兆8,000億円)。科技部は南部科学工業園区(南科)高雄園区での50~80ヘクタールの用地取得、工業用水や電力供給などに協力する。官民一体でTSMCの先進プロセスを推進し、サムスン電子、インテルに決定的な差を付ける。7日付経済日報などが報じた。
楊科技部長は6日、年内に計画をまとめてTSMCに提示し、早ければ来年半ばにTSMCの董事会で投資計画が承認されると見通しを示した(6日=中央社)
TSMCの張忠謀(モリス・チャン)董事長は5日の全国科学技術会議に出席し、昼食時に楊科技部長と今後の投資計画について話し合った。
楊科技部長によると、TSMCは3~5ナノプロセス計画で、20年に工場着工、22年に量産し、年間売上高2,000億元、就業機会1万件以上の創出を見込んでいる。工業用水や電力供給は、南科管理局や経済部水利署、高雄市政府水利局が支援する。高雄市は大気汚染物質排出の総量規制の対象地域に含まれる上、来年からPM2.5(微小粒子状物質)3級空気質(大気質)防止制御エリアとなるので、新規投資や追加投資に際して排出権を取得する必要があるため、科技部が行政院環境保護署(環保署)と協力して政府、環境保護団体との調整を図る。ファウンドリー最大手の工場拡張を支援することで、台湾域内の民間投資を促進する狙いもある。
EUV採用でコスト低減
TSMCは6日、科技部に50~80ヘクタールの用地取得と、工業用水、電力供給問題について協力を求めたのは事実だが、投資計画の詳細はまだ明かせないとコメントした。インテルやサムスン電子の5ナノプロセス、3ナノプロセスは、計画だけで実行を伴っていない。TSMCの具体的な予定地が明らかになったことは、両社にとってプレッシャーとなりそうだ。
張董事長。TSMCの3ナノプロセスは300~400人体制で研究開発(R&D)を進めている(中央社)
業界関係者は、TSMCの3ナノプロセスは極端紫外線(EUV)露光技術を採用し、大幅なコスト低減を実現すると予測した。TSMCのサプライヤーは、TSMCは5ナノ以降の先進プロセス計画でライバルを振り切り、世界最大手の座を固める狙いがあると話した。
TSMCは先月、南科の5ナノプロセス、および中部科学工業園区(中科)台中園区の10ナノプロセス、7ナノプロセス工場拡張について、環境影響差異分析が環保署プロジェクトチームの審査を通過した。南科の5ナノプロセス工場は来年着工、20年量産予定だ。EUV露光技術を初めて採用し、生産能力は10万枚の見通しだ。10ナノ立体構造トランジスタ(FinFET)プロセスは、既にアップル、聯発科技(メディアテック)、海信集団(ハイセンスグループ)などの顧客を抱える。7ナノプロセスは17年末~18年初めに量産予定で、ザイリンクス、エヌビディアなどの採用が決まっている。
半導体装置、台湾出荷が最多
SEMI(国際半導体製造装置材料協会)が6日発表した統計によると、半導体製造装置の第3四半期出荷額は110億米ドルで、前期比5%増増加した。国・地域別では、台湾が前期比26.7%増の34億6,000万米ドルで最も多かった。韓国は前期比36.6%増の20億9,000万米ドルだった。
一方、半導体製造装置の第3四半期受注額は113億米ドルと、前期比5%減少した。
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