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遠東集団が電子ウォレット、100万ユーザー囲い込み狙う


ニュース 金融 作成日:2016年12月14日_記事番号:T00067976

遠東集団が電子ウォレット、100万ユーザー囲い込み狙う

 遠東集団(ファーイースタングループ)の通信キャリア大手、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)は13日、電子ウォレットアプリ「friDay(フライデー)」を正式リリースした。グループ傘下の太平洋崇光百貨(太平洋そごう)、量販店の愛買(aマート)など関連会社11社、乗車カードの悠遊カード(イージーカード)、コンビニエンスストア大手の全家便利商店(台湾ファミリーマート)など外部9社と提携し、「スマートフォンだけで1日過ごせる」とアピール。年内に30万ユーザー、来年100万ユーザーを目標に、台湾最大のエコシステム(経済圏)構築を目指し、顧客を囲い込む狙いだ。14日付経済日報などが報じた。

/date/2016/12/14/00friday1_2.jpg徐董事長(左5)は台湾はデジタル経済時代に突入しており、消費者の支払い方法も変わると語った(13日=中央社)

 「フライデー」は、遠東集団傘下の▽太平洋そごう▽シティースーパー▽遠東巨城購物中心(ビッグシティー)▽遠企購物中心(ザ・モール)▽遠伝電信の直営店──などのほか、17年から愛買、ファミリーマートでも利用できる予定だ。アプリをダウンロードしてクレジットカードを登録し、バーコード決済を行う。

 遠伝電信の第4世代移動通信システム(4G)契約ユーザーなら、近距離無線通信規格NFC対応のSIMカードを申請すれば、スマホをかざすだけで電子マネーの非接触型決済も可能だ。遠伝集団の「ハッピーキャッシュ」、「イージーカード」に加え、2017年から「一卡通(Iパス)」、セブン-イレブンの「icash2.0(アイキャッシュ2.0)」も利用可能になる。

 さらに、台湾最大を誇る遠東集団のポイントサービス「ハッピーゴー」のポイントをためたり、高速道路の電子料金収受システム(ETC)「eTag」にチャージすることや、▽駐車料金の支払い▽映画館のチケット予約▽オンラインゲーム最大手の智冠科技(ソフトワールド・インターナショナル)の「マイカード」のポイントチャージ──など各種サービスも利用できる。

/date/2016/12/14/00friday2_2.jpgスマホをかざすだけで、公共レンタサイクル「YouBike(ユーバイク、微笑単車)」にも乗れる(13日=中央社)

 正式リリースを記念して来年1月31日まで、初めてのバーコード決済でハッピーゴーポイント100ポイント付与などのキャンペーンを実施中だ。

モバイル決済、20年に過半へ

 「フライデー」は今年8月に試験リリースし、11月末にダウンロードは延べ20万人を突破した。ユーザーは20~40歳が多く、男性が51%と男女比はほぼ半々だ。アクティブユーザー(利用があったユーザー)は50%以上で、交通や少額支払いの利用が多かった。

 徐旭東(ダグラス・シュー)董事長は、遠伝ユーザーは顧客ロイヤリティーが高い上、「フライデー」は遠東集団だけでなく、他社でも利用できると強みを指摘。その上で、台湾政府は2020年に商取引全体に占めるモバイル決済の割合を50.6%に引き上げる目標だが、遠伝ユーザーはもっと早く52%を超えると自信を示した。

 資訊工業策進会(資策会)産業情報研究所(MIC)の統計によると、昨年スマホユーザーのモバイル決済の利用率は19%と前年より14.2ポイント増加した。年齢別では▽16~25歳、31.4%▽26~35歳、20.9%▽36~45歳、19.3%▽46~55歳、13.8%▽56歳以上、14.6%──と、若いほど利用率が高かった。