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タイガーエア台湾、中華航空が完全子会社に


ニュース 運輸 作成日:2016年12月15日_記事番号:T00068002

タイガーエア台湾、中華航空が完全子会社に

 中華航空(チャイナエアライン)は14日、傘下の格安航空会社(LCC)、台湾虎航(タイガーエア台湾)を完全子会社化することを董事会で決議した。早ければ年内にシンガポール航空傘下のタイガーエアが保有する株式10%を買い取る。復興航空(トランスアジア航空)と傘下のLCC、威航(Vエア)が市場から撤退した中で、タイガーエア台湾は来年から東南アジアの一部路線を削減、日本線を強化するなどビジネスモデルを見直し、台湾唯一のLCCとして黒字転換を目指す。15日付経済日報などが報じた。

/date/2016/12/15/00china_2.jpg中華航空は14日、新モバイルアプリを発表した。21~45歳をターゲットに、来年上半期に20万人のダウンロード(現在6万5,000人)を目指す(14日=中央社)

 タイガーエア台湾は2014年に運航を開始した。累積損失は13億5,700万台湾元(約50億円)と資本金20億元の約7割を食いつぶした。特に今年第1~3四半期は損失が5億8,300万元に膨らんだ。タイガーエア台湾の出資比率は中華航空グループが90%に対し、タイガーエアは10%にすぎないが、拒否権1票を擁していた。事情に詳しい人物は、タイガーエアに拒否権があり、経営陣の人事にも口出しできる状況で、3年かかっても経営陣がまとまらず、営業効率が改善しなかったと指摘した。

 中華航空は、秘密保持契約(NDA)で株式買取額は公表できないが、双方とも満足していると説明した。公開不要ということから、3億元以下と予想されている。

 中華航空の主管は、台湾の消費者に馴染んでいることから「タイガーエア台湾」の名称は当面継続使用すると話した。第4四半期の業績は改善しており、来年第1四半期に黒字に転換する可能性が高いと話した。

旅行会社活用、搭乗率8割に上昇

 タイガーエア台湾は来年1月に新機材を導入し、保有機材が10基に増える。来年末には11基目も予定している。また来年1月に台北(桃園)~シンガポール、コタキナバル(マレーシア・サバ州)線の運航を停止する。一方、来年1月19日から桃園~プサン(週3便)、来年3月4日から高雄~那覇(週2便)を就航し、就航都市は日本を中心に17都市になる。

 中華航空の幹部は、タイガーエア台湾で利益を上げる余地があるのは日本線だけだと指摘した。中華航空の何煖軒董事長が今年8月に張鴻鐘氏をタイガーエア台湾の董事長に据えたのは、整理を進め、ビジネスモデルを見直すためと話した。

 また中華航空の幹部は、フルサービスキャリア(FSC)同様、旅行会社に航空券を包括購入してもらう方法を数カ月前から取り入れたところ、搭乗率が約80%と、上半期の70%未満から上昇し、軌道に乗りつつあると話した。

Vエアのマーケ力に期待感

 タイガーエア台湾は、来年半ばに自社専用の公式サイトを立ち上げる予定だ。張董事長は先日、Vエアの電子商取引(EC)担当者を引き入れて、タイガーエア台湾にアジア太平洋の利用者を増やすと話していた。

 Vエアは、マスコットキャラクター「Vベア」や、公式サイトやフェイスブック(FB)を活用した航空券キャンペーンの話題性が高く、マーケティング力に一定の評価を得ていた。