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パネル供給中断、鴻海が「打倒サムスン」本格化か


ニュース 電子 作成日:2016年12月15日_記事番号:T00068004

パネル供給中断、鴻海が「打倒サムスン」本格化か

 鴻海精密工業傘下のシャープが韓国・サムスン電子に対するテレビ用液晶パネルの供給を来年から全面中断すると通告したことは、鴻海を率いる郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が公言する「打倒サムスン」の動きが本格化するシグナルと受け止められている。

 鴻海によるサムスン締め付けは、突然かつ徹底したものだ。サムスンは60、70インチの高級機種に使用する大型液晶パネルを全量シャープからの調達に依存していただけに、来年以降の商品戦略の練り直しを迫られている。

 15日付韓国紙・朝鮮日報によると、鴻海はパネル供給中断の撤回を求めるサムスンに対し、「価格を2倍に引き上げる」などと無理難題を突き付けたとされる。サムスンは鴻海が筆頭株主の群創光電(イノラックス)にもパネル供給上積みを求めたが、「来年分は契約が完了している」というにべもない反応が返ってきたとされる。サムスンは結局、長年ライバル関係にあるLGディスプレイ(LGD)に救いを求めるしかなかった。

 郭董事長は今後、「シャープ」ブランドの液晶テレビを強化し、サムスンと「ブランド対決」に持ち込む構えとみられる。その証拠にシャープは来年の液晶テレビ出荷目標を前年比6割増の1,000万台に定めている。

 15日付経済日報によると、市場調査会社IHSマークイットの謝勤益(デビッド・シェイ)シニアディレクターは「世界的ブランドのシャープの液晶テレビ出荷台数が600万台というのでは少な過ぎると考え、郭董事長が1,000万台という目標を命じた。シャープ製テレビは来年、中国だけでなく、北米、東南アジアなどに全面進出し、シャープブランド再生という目標の達成を目指すことになる」と指摘した。

 謝シニアディレクターはシャープによる液晶パネル供給中断で、サムスンがイノラックスや友達光電(AUO)からのパネル調達を拡大するとみているが、イノラックスが難色を示していると伝えられる中、状況はまだ不透明だ。