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交通部女性職員を裸写真で脅迫、罰金取り消し図った業者起訴


ニュース 社会 作成日:2016年12月15日_記事番号:T00068024

交通部女性職員を裸写真で脅迫、罰金取り消し図った業者起訴

 台中地方法院検察署はこのほど、台湾鉄路(台鉄)の駅高架化工事を請け負った建設会社に対し、工事の遅延を理由に3,300万台湾元の罰金処分を科すと通告した交通部の女性職員を拉致し、ヌード写真を撮影して処分を取り消すよう脅した犯行で、同社の女の従業員らを起訴した。やくざ同然の荒っぽい手口が社会をあきれさせている。

 起訴されたのは高雄市の建設会社「華盛営建」で董事長特別助理を務める蘇曉貞被告(女性、40)ら12人。

 同社は2012年に台中市の台鉄松竹駅など5駅の高架化工事を受注。契約では13年8月に第1期工事のプラットホームや構造体を完成させることになっていたが、スケジュールに遅れが生じたため、監督機関である交通部鉄路改建工程局・中部工程処(中工処)の女性職員から契約に基づき罰金処分を科すと通告された。

 一方、蘇被告と知人関係にあった中工処の許文貴処長(当時)と林銘益段長は、罰金額は工事完了後にまとめて考えればよいと処罰の先延ばしを主張したが女性職員が聞き入れなかったたため、故意に工期を延ばして同社の罰金処分を回避させた。

 しかし、この女性職員から意図的な嫌がらせを受けていると考えた蘇被告は、彼女を離職させようと画策。昨年7月、同業者の友人を通じて紹介を受けた暴力団員の男3人に女性職員のヌード写真を撮り、脅迫するよう頼んだ。

 これを受けて3人は同月27日早朝、バイクで出勤途中の女性職員を待ち伏せして拉致。用意した車で新竹市の労働者宿舎へ向かい、ここで衣服を脱がせて裸にした上で写真を撮影した。殺されるとの恐怖から、されるがままとなっていた彼女に対し、男らは「おとなしく仕事をして余計なことに口を出すな」と脅したという。その後、服を着せられた彼女は、車で現場から離れた場所に連れて行かれ放置された。

 一方、女性職員がその日出勤せず、携帯電話もつながらないことを心配した同僚が彼女の自宅付近に向かったところ、乗り捨てられたバイクとリュック、靴を発見したため、すぐに警察に通報した。

 その後の捜査により、事件関係者が犯行を認めたことから検察は蘇被告らの起訴を決めた。なお、中工処の許前処長は、蘇被告と不倫関係にあったとされ、華盛営建に便宜を図っていた疑いも持たれている。