ニュース 社会 作成日:2016年12月19日_記事番号:T00068082
国家安全局(国安局)がこのほど、蔡英文総統専用の公用車として防弾装備のほか、生物化学兵器による攻撃にも対応可能な「完全防護車」の購入に2,500万台湾元の予算を要求していることが明らかとなった。これは歴代総統の公用車で最高額となる上、蔡総統は既に防弾装備付きの新型車を使用しており、「無駄遣い」との批判も上がっている。
国安局が総統の公用車として購入を計画しているのは、ドイツのメルケル首相も使用するアウディの「A8 L セキュリティ」。専門家によると同車種はボディ全体が防弾鋼板で覆われているほか、内部に防弾繊維、車窓のガラスにも厚さ10センチの防弾ガラスが採用されており、ピストルはもちろん、狙撃手が使うライフル銃や手榴弾による攻撃にも耐え得る装備となっている。
さらに同車の内部には独立した生命維持システムが配備されており、車内の空気が悪化したり、生物科学兵器による攻撃があった場合、自動的に外界からの空気の流入を遮断する機能も備えている。また、そうした事態が発生した際も、国家の指示系統が保てるよう独立した通信システムも設置されている。
なお李登輝元総統は在任中、特に防弾装備などを施していないキャデラックとベンツを公用車として使用したが、陳水扁元総統時代には1,300万元をかけて防弾ガラスを装備した「リンカーン」と、2,293万元を投じて防護機能を強化した「BMW 740Li」が使用されたという。
一方で馬英九前総統は、経費削減のため2期8年を通じて陳元総統が使用した「BMW 740Li」に乗り続けた。こうした背景もあって高価な公用車の購入に批判の声も上がっているようだが、蔡総統は友人に対し「総統の安全に責任を持つ国安局がセキュリティーを考慮した上で購入したいというのであれば、拒否できない」と語ったとされる。
総統専用車の購入は立法院の審議を通過する必要があるが、国安局は来年10月には導入したい考えとみられる。
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