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TPC、風力・太陽光発電への2千億元投資発表


ニュース 公益 作成日:2016年12月21日_記事番号:T00068112

TPC、風力・太陽光発電への2千億元投資発表

 台湾電力(台電、TPC)は20日、彰化県で洋上風力発電(オフショア風力発電)と陸上風力発電の施設設置、および台湾最大の太陽光発電所を設置する再生可能エネルギーの大型投資プロジェクト「風光計画」で同県と覚書(MOU)を結んだ。投資額2,000億台湾元(約7,350億円)で、今後10年間で推進する。同県芳苑郷外海の27号区画で風力発電の開発権などを取得できた場合、さらに1,300億元の追加投資も視野に入れている。21日付工商時報が報じた。

/date/2016/12/21/00top_2.jpg覚書を交わした朱文成TPC董事長(左)と魏明谷彰化県長(右)。魏県長は「30年に東方のサウジアラビアになることが目標だ」と、台湾の新たなエネルギー拠点になることへの抱負を語った(20日=中央社)

 同計画の完成により、87万世帯の年間電力需要を満たす年31億キロワット時(kWh)の供給が可能となる。

 洋上風力発電は同地での1~2期、陸上風力発電は5期計画に当たる。洋上1期は芳苑郷西側海域に22台の風力発電装置を設置するもので、発電容量は11万キロワット(kW)。既に認可を取得済みだ。洋上2期は鹿港外海に風力発電装置120~130台を設置、発電容量は90万kWの計画で、現在環境影響評価が進められている。投資額は1期が195億元、2期が1,600億元の予定だ。

/date/2016/12/21/tpc_2.jpg

 また、第3期に当たる投資額1,300億元の追加の洋上風力発電計画は、2018年1月に予定される27号区画の入札公告を落札して推進する計画だ。

 彰化外海は秋から冬にかけて吹く北東方向からの季節風も到達、台湾で最大の風力を得られることから計画地として選定した。台湾全土36台の風力発電装置のうち、21台が同海域に集中している。

太陽光発電所、来年完成目指す

 太陽光発電所は、彰化浜海工業区の崙尾区に設置する。総面積134ヘクタール、発電容量10万kWで投資額60億元。経済部に計画を申請中で、来年に着工、下半期の完成を目指す。TPCはかつて同じ敷地で彰工火力発電所を計画したが、環境影響評価が通過せず推進を断念。太陽光発電所の建設に切り換えた。

 TPCは同県鹿港鎮に台湾初の再生エネルギー運営センターも設置し、洋上風力発電施設の集中管理センターおよび再生可能エネルギーの教育・訓練センターの役割を担わせる。魏明谷彰化県長は、政府の再生可能エネルギー政策に協力すべく、県独自の「彰化電力公司」を立ち上げる構想を明らかにした。

 なお、台湾電力は政府系企業のため、投資計画は立法院の承認を得る必要がある。

日立とシーメンスの一騎打ちか

 洋上風力発電装置の設置計画では、経済部の主導の下、中国鋼鉄(CSC)が実績を持つ日立製作所と独シーメンスのうちの1社を選んだ上で、年末にも新会社を設立して推進すると伝えられる。このため両社は最近、それぞれサプライチェーンの構築に向けて上緯企業(SWANCOR)、永冠能源科技(YGG)、東元集団(TECO)、中国鋼鉄(CSC)、台塑重工など関連企業を訪問した。

 風光計画で台湾電力は台湾製部材を優先的に調達する方針で、台湾メーカーの商機は投資額2,000億元の6割、1,200億元に達すると予想される。

【表】