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TSMC元執行長の蔡力行氏、紫光集団への加入説否定


ニュース 電子 作成日:2016年12月21日_記事番号:T00068115

TSMC元執行長の蔡力行氏、紫光集団への加入説否定

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の元執行長で、通信キャリア最大手、中華電信の董事長を16日に退任した蔡力行氏について20日、中国の国有半導体大手、紫光集団に加わり、成都の12インチウエハー工場の設立に関わることが既に決定しているとインターネットメディアによって報じられた。しかし、蔡氏本人がこれを否定したほか、紫光集団の高啓全副総裁も「蔡氏と接触したことはなく、同氏を引き抜いたというニュースは的外れ」と語った。21日付工商時報が報じた。

/date/2016/12/21/01Cai_2.jpg中華電信の董事長交代式での蔡氏(左)。蔡氏はこの際、少しゆっくりした後、今後について考えると話していた(中央社)

 蔡氏はこれまで、国際的なメーカーで董事を務めるなど産業に貢献したいとの考えを人に話したことはあるが、現時点では何も決めていないと説明。さらに中国企業に加わりたいと思ったことはなく、接触もしていないと強調した。なお、欧米企業ならば加わりたい気持ちはあるが接触はしていないとも語った。

 このほか蔡氏と親しい半導体メモリー受託メーカー、力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)の黄崇仁(フランク・ホアン)執行長も「紫光集団に加わり、かつての主(TSMC)に敵対するような人物ではない」と観測を否定した。

 黄執行長はその上で、台湾の半導体産業は強みと競争力を備えており、今日の水準に達するにはTSMCの張忠謀(モリス・チャン)董事長のような人材と台湾独自の環境があってこそ可能との考えを示し、中国メーカーからの人材引き抜きを恐れる必要はないと話した。その一方で、台湾の半導体メーカーが中国に進出するのは巨大市場での商機が見込めるためで、余計な臆測でこれを阻むべきではないとも語った。