ニュース 社会 作成日:2016年12月21日_記事番号:T00068134
台北市に住む賴沛泠さん(28)は高校卒業後、フリーターとなり、家族の生活を助けるため1日中働いたが、思うような収入が得られなかったことから一念発起して消防設備の整備や水道・電気工事に関する技術を習得して起業。一般に「男の世界」とみられがちな同業界で技術者となり、また、年商2,000万台湾元企業の女社長となった。
賴さんは家族の1人が病気を患い、働くことができなくなったことから高校卒業後は進学せず、フリーターとして家庭を支えることになった。そして多い時は、昼間は新聞配達、工場などで働き、夜はレストランのウエイトレス、飲料スタンド店員と4件もの仕事を掛け持ち、自身も体を壊すほど働き詰めの生活を送った。
しかし、これほど働いても月収は4万元がやっと。「やっぱり手に職を付けることが大事」と考えた彼女は22歳の時、家族が健康を回復したことをきっかけに、アルバイトをすっぱり辞め、労働部が台南市の分署で開設していた「消防安全設備管理コース」を受講することを決めた。
ここで彼女は消防整備士としての技術を学んだ他、隣の教室で行われていた水道・電気工事コースの生徒と親しくなり、そちらの技術も教えてもらい、半年後に一挙4件の資格を取得。教師から「20年教えているがこんな生徒は初めて」と驚かれたという。
同コースを終えた彼女はある企業に入社したが、肌に合わなかったことから3カ月で辞め、消防設備の保守点検を業務とする会社を自ら起業することを決意。ただ当初は資金がなかったため同業者に工具を借り、スクーターに乗って現場に出かけたそうだ。
消防設備のほか水道・電気関連の修理もでき、1人で何役もこなせる彼女の評判はすぐに口コミで広まり、起業1年目で売上高は100万元を突破。さらにもうけを人材獲得や設備に投資して企業の質向上と規模拡大を図り、現在では電気・機械設備や空調設備、高圧電流も扱う分野にも業務範囲を広げ、社員も多い時で30人に増加。年商は5年間で20倍に成長した。
その結果、現在では要求が多く参入障壁の高い政府の競争入札案件にも参加を果たし、ついには総統府の保守点検作業を受注した。同案件を含め、政府の案件は資格や設備、職人の経歴など要求が非常に多く、入札企業も少ないそうだが、彼女は「条件が厳しければ厳しいほど、うちに有利」と豪語。「それに価格競争にもならないので社員の給与を犠牲にしなくて済む」と従業員思いな面も見せている。彼女の会社は今後もさらなる成長を見せそうだ。
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