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政策金利据え置き、中銀総裁「来年は景気上向く」


ニュース 金融 作成日:2016年12月23日_記事番号:T00068183

政策金利据え置き、中銀総裁「来年は景気上向く」

 中央銀行(中銀)は22日、金融政策決定会合に相当する第4四半期の理事監事連席会議を開き、政策金利を現在の1.375%に据え置くことを決めた。

/date/2016/12/23/12BANK_2.jpg彭総裁(中)は「全世界が負け組になる」と米国の保護主義懸念を憂慮した(22日=中央社)

 23日付聯合報によると、彭淮南中銀総裁は「現在インフレ圧力は低く、今後のインフレ見通しが安定していることに加え、経済成長率が潜在成長率を下回っているため、全会一致で金利据え置きを決めた」と説明。その上で、対外需要が低迷する中、輸出に頼った経済成長は難しいとし、政府には過剰貯蓄をインフラ投資に生かし、雇用と税収の増加を図るべきだと提言した。

 彭総裁は「来年の経済見通しは今年に比べ明るく、台湾経済は緩やかに成長する」との見方を示した。

 米国経済の回復で米ドルが強含みなのとは対照的に、ユーロが長期的に下落する可能性が指摘される中、彭総裁は「ユーロが長期的には世界の金融市場にマイナスの影響を与え、『不発弾』になりかねない」と懸念を示した。

米国保護主義、「台湾経済に大打撃」

 彭総裁は一方、米国でトランプ次期政権発足後に保護貿易主義が強まれば、経済のグローバル化より大きな恩恵を受けている台湾経済にとって非常に大きな打撃となるとの認識を示した。米国は台湾にとって最大の貿易相手国であり、対米貿易が台湾の域内総生産(GDP)に占める割合は7.8%に達すると指摘。台湾は中国に中間財を多く輸出しており、米国が中国製品に対する輸入関税を15%に引き上げれば、中国はGDP成長率が1ポイント下落し、台湾経済も0.7ポイントの下方修正を迫られるとの懸念も示した。

 米CNNが政権移行チームの重要人物の話として伝えたところによると、同チームは米国内での製造業振興のために、行政命令などの形で、輸入品に最高10%の関税をかけることを検討しているという。