ニュース 社会 作成日:2016年12月27日_記事番号:T00068217
先ごろ新竹市の高校で行われた仮装パレードイベントで、あるクラスの生徒がヒットラーやナチス親衛隊に扮(ふん)して行進を行ったことが物議を醸している。インターネットを通じてこの事実が拡散され、イスラエルやドイツの駐台機関が批判する声明を出したことを受けて同校の校長が謝罪、辞任を表明する事態となった。
校長は辞任会見で演目を行った学生に罪はないと弁明した(25日=中央社)
問題のイベントは今月16日、新竹光復高等中学で実施された。「世界の歴史的人物」をテーマに仮装した生徒たちが校庭を行進し、優れたパフォーマンスに賞品が送られるコンテスト形式となっていた。
大規模な抗日武装反乱「霧社事件」を主導したセデック族の頭目、モーナ・ルダオや三国志に登場する劉備玄徳、ファラオ、エリザベス女王、スティーブ・ジョブズなど世界の歴史的人物に扮した生徒が次々と行進する中、校庭に「ヒットラーが来たぞ!」というアナウンスとともにヒットラーに扮した教師を乗せた戦車が登場。その後ろにはナチス親衛隊の制服を身にまとい、腕にナチスのシンボル「ハーケンクロイツ(かぎ十字)」をデザインした旗やボードを持った大勢の生徒が付き従った。さらに行進中には「ヒットラーに敬礼を。さもなければ戦車に踏みつぶされるぞ!ガス室に送られるぞ」といった場内アナウンスが流れた。
ちなみに今回のパフォーマンスは事前に学校側の許可を受けており、ヒットラーに扮したのは歴史の授業を担当する教師(37)だったことから同校はナチスの仮装が特に問題になるとは考えていなかったようだ。またパフォーマンスが大成功だったと感じた同クラスの生徒はパレード中の画像をフェイスブック(FB)に投稿し、「迫力満点!」などとコメントを添えた。
しかし、この画像が有名掲示板に転載されると一気に批判が広がり、しかも当初、同校の校長は「子どもたちは社会の無知を知らず知らずのうちに模倣してしまうもの。大人が子供に良い模範を示してほしい」とコメントしたため、ネットユーザーから「責任逃れだ」との批判が殺到した。
さらにイスラエルやドイツの在台事務所が24日、「生徒たちの行為はナチス被害者に対する侮辱」などと批判。総統府も「迫害を受けたユダヤ人を軽視するもの」とコメントし、学校の責任を追及するとともに関連各国に謝罪を表明した。
これを受けて校長は同日記者会見を開き、今度は「学校側が歴史的意義を深く考慮せずに演目を許可してしまった」と陳謝。さらに翌日、辞任を表明した。
今回の騒動で生徒たちはヒットラーやナチスが世界でどのような評価を受けているか身をもって知ったことだろう。こうした事態が起きるのは、戦後70年以上がたち記憶が風化したためか、台湾の歴史教育で十分教えていないためなのか、どちらなのだろうか。
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