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航空機の携帯バッテリー預け入れ、違反が年間15万件


ニュース 社会 作成日:2016年12月28日_記事番号:T00068240

航空機の携帯バッテリー預け入れ、違反が年間15万件

 スマートフォンが広く普及する昨今、旅行に出掛ける際などに予備電池としてモバイルバッテリーを利用するユーザーも多いようだが、飛行機の搭乗時、こうしたバッテリーに主に使用されるリチウムイオン電池を含む手荷物を預け入れることが禁止されていることはあまり知られていない。このため航空警察の統計によると、台湾ではモバイルバッテリーを飛行機に預け入れようとする規定違反が年間15万件にも上っているという。

 航空業界では今年、サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート7」が内蔵バッテリーの過熱により機内で発火する事故が相次ぎ、各国の航空会社が同製品の機内持ち込みや使用を禁止する措置を取ったことが話題となった。

 また同スマホ以外にも、台湾の航空会社では今年、5月に威航空(Vエア)の便で、今月にも中華航空(チャイナエアライン)の便でモバイルバッテリーやスマホが発火するトラブルが発生しており、飛航安全調査委員会(飛安会)がリスク低減に向けた提言を行っている。

 なお飛行機に乗る際、リチウムイオン電池は、カメラ本体に装着した状態を除き、モバイルバッテリーなど単体でスーツケースなどに入れて預け入れることはできないが、機内への持ち込みは可能な場合が多い。これは預け入れ荷物の場合は取り扱いの際に衝撃を受ける可能性が高いほか、機内に比べ貨物室の環境が悪いといった理由があるようだ。

 しかし、こうした規定を知らない旅客が多いため、飛安会では台湾域内での周知を強化しており、桃園国際空港でもチェックインカウンターに掲示を行い、スーツケースにモバイルバッテリーを入れている場合は取り出して機内に持ち込むよう注意喚起を行っている。

 なお飛安会の統計によると、台湾の航空会社が運航するジェット機の全損事故発生率は2015年末までの10年間で100万フライトに0.58回と世界平均の0.7回を下回っている。しかしプロペラ機の場合は14~15年に復興航空(トランスアジア航空)が2度の重大事故を起こした影響で同3.09回と、世界平均の1.76回を大幅に上回っており、より一層の安全対策が求められている。