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統一、中国飲料ライン拡大に大型投資


ニュース 食品 作成日:2008年4月16日_記事番号:T00006826

統一、中国飲料ライン拡大に大型投資

 
 食品大手、統一企業(ユニプレジデント)は15日、中国での飲料生産ラインの拡充などに8億4,000万人民元(約124億円)に上る大規模な追加投資を行う計画を発表した。昨年、組織および経営戦略の見直しが奏効して中国事業の利益成長率が過去最高の190%に達した同社は、引き続き中国市場を強化し、シェア拡大に全力を挙げる構えだ。16日付工商時報が報じた。
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 追加投資は、12社余りの中国子会社に増資する形で行う。来年も拡充を継続する計画で、自社生産能力は50%増加する見込みだ。生産委託先の生産能力も同時に拡充する予定で、今後も自社生産と委託生産の6対4の比率を維持していく考えだ。

昨年利益、190%成長

 統一傘下の統一企業中国控股(統一中国)は、昨年の売上高が86億5,700万人民元で9.8%成長だったが、利益は4億2,400万人民元で過去最高の利益成長率190%を記録した。統一によると、昨年の利益成長はジュースやお茶など同社が主力とする飲料部門の貢献が大きく、調査会社ACニールセンの調べでは、中国市場における統一のシェアは茶飲料全体で30%(2位)、緑茶で22.8%となっている。

組織改革で経営効率向上を

 昨年中国での利益が大幅に成長したことについて統一では、組織見直しの効果が最大の要因とみている。同社ではマーケティング、業務、ガバナンスを主軸として組織の均一化および効率化を進め、コストの低減および商品の利益率引き上げにより競争力の向上に努めている。

 昨年初頭、マーケティング部門および業務部門で組織改革を実行し、コミュニケーション効率の向上を目指して、従来の中国を8エリアに分けていた区域制を中国行政区(省)制に改めた。また、マーケティング部門では、きめ細かく中国市場を攻略し、サービス能力を高めるため、即席めん、飲料という従来の2大事業群を、▽即席めん▽茶飲料▽ジュース▽総合飲料▽飲料水──と5つの事業群に細分化した。

 今年もさらに組織再編を進める考えだ。流通部門を強化するとともに、8大区域内に行政中心(ガバナンスセンター)総経理の役職を設け、管轄内各省におけるマーケティング、生産、ガバナンスの3つの主軸業務を統括させて経営効率を高める。
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商品構成の多様化も重視

 統一はまた、現在毎年2けた成長を続ける「黄金期」の中国飲料市場の商機をつかむため、商品構成の多様化も重視している。茶飲料とジュース以外にもミネラルウォーター、ミルクティー、コーヒーなども成長を見込む重要品目に挙げている。