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台大医院が土曜診療を削減、平日多忙な利用者に困惑


ニュース 医薬 作成日:2017年1月6日_記事番号:T00068349

台大医院が土曜診療を削減、平日多忙な利用者に困惑

 「一例一休」(法定休日と所定休日を7日間に各1日)方式による週休2日制導入などの改正労働基準法(労基法)を受け、台湾を代表する総合病院の台湾大学医学院附設医院(台大医院)が5日、4月から土曜の診療を段階的に削減すると発表した。患者2,000~3,000人に影響が出る見通しだ。今後、土曜休診とする病院が増えれば、平日は時間がないサラリーパーソンなどにとって、特に不便になりそうだ。6日付蘋果日報などが報じた。

/date/2017/01/06/00top_2.jpg衛福部は、病院関係の団体から8項目の協力を取り付けたものの、診療所の値上げや診察日の縮小までは関与できない状況だ(5日=中央社)

 台大医院の土曜診療は、内科、家庭医療科など70ある。台大医院の王亭貴広報担当は、全面休診でなく、一部は診療を行うと強調。保護者が子供を受診させやすいよう、4月から土曜は台大医院児童医院に他の診療科も集めて診療を行うと説明した。目的は人件費削減でなく、労働者の権益確保だと述べた。

他の病院は様子見

 新光医院の洪子仁副院長は、台大医院が医療関係者の過労状態を改善するために先頭を切ったと評価し、同医院は半年後に検討すると話した。馬偕紀念医院の劉伯恩董事長は、週休2日制の導入で、人件費が年間1億台湾元(約3億6,000万円)以上増え、減ることはあり得ないが、今年の春節(旧正月、2017年は1月28日)、春節ボーナス(年終奨金)に影響はなく、診察日の変更もないと語った。

 高雄医学大学附設中和紀念医院は、春節明けから休日と夜間の診察を減らす。台安医院は春節明けから、金曜の診察を半日から終日に変更し、日曜の終日の診察を半日に変更する。

 長庚紀念医院、台北医学大学附設医院(北医附医)、三軍総医院などは対策を検討中だ。台北栄民総医院、台中栄民総医院、中国医薬大学附設医院、国泰総合医院などは当面変更はしない。

 台北市政府衛生局の統計によると、台北市内で土曜に診察を行っている診療所は15%にすぎない。

土曜の初診料値上げも

 嘉義県の大林慈済医院は、土曜の初診料を150元へと現行の100元から引き上げる。週休2日制を受け、初診料を引き上げるしか対応方法はないと説明した。

 衛生福利部(衛福部)は5日、医師公会などと会議を開き、価格協定(カルテル)を結んで一斉値上げを行わないなど8項目について同意を得た。一斉値上げの他、春節連休期間もベッド数を減らさず通常通り運営し、24時間体制で急患診療を受け付けることなども含まれる。

 休日の診察が少ないことについて医療界は、都市部の診療所が持ち回りで休日対応を行ったり、へき地の衛生所(保健所)に駐在して診療を行うなどして支援する方向だ。